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ぞんざいな国交省建設業界受難の年(2)
住宅・不動産
2007年12月25日 13:11

改正建築基準法の施行

 薄利ながら受注量に支えられ、業績の回復が見えてきていた建築業者は、国土交通省のお粗末な対応により機能停止状態に陥った。

 耐震強度偽装問題の再発防止を目的として6月20日に改正建築基準法が施行された。だが国土交通省の見通しの甘さ、シミュレーションの杜撰さから現場に大きな混乱を招く結果となり、社会問題にまで発展した。

 6月20日の施行以降、建築確認手続きの遅れが大幅に生じた。遅れの最大の理由は、構造計算に関して専門家による構造計算適合性判定制度(ピアチェック)を導入したためだ。通常の確認審査では耐震強度偽装を見破ることが困難だったとの理由から、専門的かつ工学的判断が必要として導入されたのだが、問題は処理能力がまったく足りていなかった点にある。次々に建築確認が申請される一方で、それらが妥当であるかどうかの判断に時間が掛かり、着工できない物件が多発した。
国交省の杜撰さで問題噴出

 構造計算プログラム(コンピュータープログラム)が開発されていない段階で施行したことが最大の要因だろうが、この程度の予測すらできない国土交通省の能力には正直驚かされる。

 たまらないのは、こうした国土交通省の杜撰さの影響をまともに受けた民間企業である。建築設計事務所は従来よりも手間が掛かるようになったことに加え、建築確認申請後の資金回収が一般的でもあったため、回収サイトが一気に長期化した。デベロッパーは、プロジェクトをなかなか進めることができず、結果的に土地を寝かせてしまうことになる。ゼネコンは未着工の物件をいくつも抱えることになり、下請業者の確保の問題も生じている。滞ってしまった複数の物件が集中して発注されれば、ゼネコンが従来持っている工事施工能力を上回り、同時に下請業者の施工能力も上回ってしまうため、今まで築き上げてきた元請・下請の関係もスムーズにいかなくなる。

 こうした問題は工事のコストアップへ繋がり、結果的には消費者の損失へ繋がっていく。商業ビルにしろマンションにしろ、コストアップ分はある程度販売価格へ転嫁していかなければ、企業としては最低限の利益が確保できないからだ。


つづく

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