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特別取材

福岡への提言(3)九州の福岡として/森永卓郎
特別取材
2008年3月13日 10:34

話者紹介:
森永 卓郎(もりなが たくろう、1957年7月12日 - )は、日本の経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。元三菱UFJリサーチ&コンサルティング経済・社会政策部長。専攻はマクロ経済、計量経済、労働経済、教育計画。社会民主主義者。東京都出身。オフィストゥーワン所属。父親は獨協大学外国語学部教授であった森永京一。


私は道州制そのものに良いことは何もないと思っています。しかし九州が一つにまとまるとしたら、福岡が他の都市の個性を潰さないことが一番重要です。それは九州の中でいかに福岡が前に出ないかという事だと思います。放っておいても民間の力で福岡はどんどん都市機能の集中が進むでしょうし、九州新幹線が全線開通すればなおさらです。そういった経済の集中は避けようがありませんが、福岡の繁栄は九州の他の都市があるからこそのもので、福岡は決して他の都市の文化を潰すようなことをしてはいけません。

例えば日韓Wカップ時にカメルーンがキャンプをした大分の中津江村。この村は市町村合併で2005年3月に日田市に吸収されたましたが、中津江村の唯一の抵抗はその名を町名に残したことでしょう。合併された前津江・上津江・中津江村でさえ、それぞれに文化は異なっていたし、吸収した日田市に至っては全く違う文化エリア。それを全て統合するのだから各地域の文化はどんどんと破壊されていきます。市町村合併でさえ凄まじい文化破壊が行われているのですから、道州制となった場合はなおさらでしょう。

現在、福岡空港移転については様々な議論がなされているようですが、あれは絶対に移してはダメ。高速道路や都市とのアクセスがあれだけ優れた便利な空港は他にはありません。大きさもちょうど良い。それに、南九州は別として、福岡空港にからは、高速道路を使えば九州全体へ短時間で行くことができます。また逆に、九州各地からは福岡に来ればプロ野球球団や劇団四季までもあり、大体の用事を済ませることができます。隣県の文化を尊重しながら、情報発信県としての役割を果たす事ができる。こういった地方都市は他の日本にはまずないと思うし、そういった意味で福岡は他の県とは違った戦略をとっていくことができるでしょう。相互機能を持つ純粋な地方大都市として発展していけば、福岡はこれからもすごくいい街になっていけると思います。(結)

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