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民主党の平岡秀夫氏が大差で勝利 山口補選敗北の陰で行われた麻生入閣工作の失敗 | 政界インサイドレポート
特別取材
2008年4月28日 16:34

 福田政権最初の国政選挙で《ガソリン決戦の天王山》といわれた衆院山口2区補選は民主党の平岡秀夫氏が大差で勝利し、有権者は「ガソリン再値上げ」と「後期高齢者医療制度」にNOを突きつけた。それでも、自民党は選挙戦後半から「敗北」を予測して伊吹文明・幹事長や町村信孝・官房長官を中心に4月30日にガソリン税の暫定是率を復活させる再議決を行う方針を決定し、派閥単位で会合を開いて周知徹底させた。

 この際、落ち目の首相にとことん泥をかぶってもらう作戦に見える。「福田首相にガソリン再値上げと道路特定財源特例法案の2回、衆院の3分の2の再可決で強行突破させる。問責が出たら内閣改造して7月のサミットまで乗り切るしかないんじゃないか」(町村派幹部)与党は民主党が参院で「首相問責決議」をした場合の不測の事態に備えて、ゴールデンウイーク中の議員の外遊を禁止する「禁足令」も出している。

 福田首相にとって内閣改造は政権延命の唯一のカードだけに、「サミット後に先送りして花道論を封じ込めたい」(側近)のが本音。外遊先のロシアでも改造説を否定したが、それで終盤国会を乗り切れるかは予断を許さない。勢いに乗る民主党は”切り札”の問責決議を当面温存し、国会審議で追及しながら終盤に勝負をかける作戦に転じた。6月15日の国会会期末に向けて、政権は絶体絶命の危機を迎えた。実は、山口補選の舞台裏で進められた内閣改造準備工作が失敗したことが、福田首相には一番大きな痛手だったのかもしれない。

麻生に3回振られた福田
 
「安倍さんに騙されたんじゃないか」福田首相が山口補選の応援に入った4月20日、首相側近はそんな不信を口にした。首相の山口入りは地元の有力者、安倍晋三・前首相の要請によるものだった。安倍氏は福田首相と折り合いが悪く、日頃から「昨年の総裁選では麻生さんに悪いことをした。次は協力したい」が口癖だが、福田首相が政権基盤を強化するためには、麻生ー安倍ラインとの関係修復が欠かせない。そのため、福田首相は不利な選挙情勢を承知で安倍氏の要請を受け入れた。
 
森側近議員がこう明かす。「野党の問責決議に対抗して改造するにしても、ポスト福田の有力者で反主流派の麻生氏を取り込まなければ政権の求心力を高めることは難しい。森喜朗・元首相と青木幹雄・前参院議員会長も、内閣改造で麻生氏を有力閣僚に起用すべきだと総理に進言し、麻生氏説得に動いた」

 自民党選対が福田首相と麻生氏を同じ日に山口に応援入りさせる日程を調整したのは、2人の”手打ち会談”をセットする含みがあったとされる。ところが、2人は1度も接触しなかった。「麻生氏が入閣に色よい返事をしなかったため、”手打ち”は実現しなかった」(選対幹部)

 福田首相の思惑は外れた。麻生氏は昨年の福田内閣の組閣の時も、今年1月の改造断念騒動の際にも、入閣要請を断っており、3回目の「入閣拒否」ではっきり福田政権に敵対姿勢を示したと受け止められている。「麻生前幹事長とは長い付き合いで考え方も合っているけどちょっと心配しているんだ」森元首相は、産経新聞のインタビュー(4月25日付)でも麻生氏がこれまで入閣を断ってきたことにそう苦言を呈している。自民党内には福田首相の「サミット花道論」が高まっているものの、有力総裁候補の麻生氏が最大派閥の町村派を敵に回したことで、ポスト福田レースは一層混沌としてきた。

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