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ラジオ視聴者に夢と希望を 地雷被害者の生の声を届ける | CMC特別レポート
特別取材
2008年5月23日 09:39

 地雷被害により心がズタズタに傷つけられた人々に生きる勇気と希望を与え、同時に障害者に対する差別や偏見を持った健常者には、差別心の解消と思いやりの心を持つように訴える目的で実施した「VOICE OF HEART」。この希望のラジオ番組は、果たしてどれだけの人々の心に届いたのか。

希望のラジオ番組

 現地駐在員である渡辺雄太君とキム君らによって行なわれた、カンボジア全土を対象範囲としたラジオ番組についてのアンケート調査の結果は、次のようなものであった。
 調査対象は500名(障害者220名、健常者280名)で、実際にどのくらいの人たちが番組を聴いたかについては、障害者は35%が聴いたのに対し、健常者は8%しか聴いていないことが分かった。初の試みであったため、番組のことを知らなかった人が多く、またラジオを持たない人も多かった。障害者においては、リハビリセンターや職業訓練センターなどでの広報活動の成果もあり、知名度は比較的高かった。
 ラジオ番組は、障害者の思いをつづった詩を読むコーナー、寄せられた手紙のコーナー、障害者へのインタビューのコーナー、視聴者からの電話コーナーなどで構成されていたが、「詩とインタビューのコーナーが、障害者の思いを切実に伝えていた」という意見が多く、また次のような声もあった。
○私たちに生きる勇気、元気、希 望を与えてくれた初めての番 組だった。
○被害者の思いが詰まった詩は、 人間がお互いに愛し合うことの 大切さを教えてくれた。
○詩を聴いて、今まで以上に頑 張って生きていこうという気持 ちになった。
○詩が私のような被害者の思いを 最も表していた。苦しんでいる私 たちを差別しないで欲しい!
○手紙には、書いた人の思いがびっ しりと詰まっていた。手紙を書い たいきさつをもっと知りたかった。
○インタビューで障害者の思いや人 生が良く伝わってきた。最高の企 画だった。
○インタビューは、障害を持っていて も社会の役に立つことができると いうことを教えてくれた。
○自分と同じ障害を持った人の人 生や思いを知ることができ、勇気 と元気を与えてくれた。
 今回、放送を聴いた人に「このような番組が再び放送されたら、また番組を聴きたいかどうか」を尋ねると、障害者もそうでない人も全員が「ぜひ聴きたい!」という回答だった。

まだまだ低い問題意識

 今後の番組に対する意見、要望も多数寄せられている。
○障害を持った人を勇気付けるた めに、いつまでも放送して欲しい!
○障害を持つ私たちは生活面で困る ことがたくさんある。支援してくれる 組織を番組内で紹介して欲しい。
○放送時間が遅すぎる。昼間なら、 昼休みなどでもっと多くの人が聴 けると思う。
○障害を持った人は、どこで学び、ど うやって仕事を探せばいいのかを、 番組の中で教えて欲しい。
 「VOICE OF HEART」は、聴いた人の心に生きる勇気と希望をしっかりと届けることができたと思っている。聴いた人たち全員が、また聴きたいと思ってくれたことが何よりの証だ。今回は聴かなかった人の多くも、番組の趣旨、構成を説明すると興味を示してくれた。障害を持った人々への“心のケア”の大切さを改めて実感している。「元気が出たよ!」「希望が持てた!」「気持ちが楽になったよ!」という数多くの声に、私たちも元気づけられた。
 アンケート結果は、私たちにも希望を与える一方、障害を持っていない人たちの関心の低さも示している。ラジオを聴いた健常者たちは、地雷被害者、障害者の問題に少なからず興味を持っており、障害者の心の叫びをしっかりと受けとめている。しかし、聴かなかった健常者にラジオ番組について説明しても、関心を示す人は少なかった。あるとき、プノンペンで番組を聴いたという女子高校生に出会った。彼女は、「内容は覚えていないけど、好きな歌手や有名人が出演していたので良かった」とだけ言った。また聴きたいですかの問いに「はい」と答えるが、障害を持った人々の声を聞こうという気持ちはまったく無い様子。障害者問題は社会全体に関係することであり、彼女らにも耳を傾けてもらうことは、今後、非常に重要である。

夢や希望の“きっかけ”を

 今回の調査を通して知ることができた障害者のさまざまな声は、私たちに多くの課題を提示している。関心の低いカンボジア政府に対し、もっと障害者の問題に目を向けてほしいという訴えが多数あった。義足をつけ、歩行訓練中の男性は訴える。「政府役人が家に来て、お金を徴収していく。政府は、私たち障害者のために、私の家族のためにそのお金を使うと言う。私は大きな期待を持ってお金を納めるが、何も変わらない…」と。しかし、最後に彼は「わたしは家族の生活が良くなることを期待して、いつまでも払いつづける!」と付け加えた。
 今回アンケートを実施した都市のひとつパイリン特別市は、地雷被害者の多い町だ。しかし、職業訓練所やリハビリ、治療を受ける施設は他の都市に比べて整っていない。施設を作るための土地は準備されているが、肝心のサポートしてくれる組織がないのだ。被害者は義足を作るため、また職業訓練を受けるために遠く離れた町まで行かなくてはならない。その間、パイリンに残した家族たちに病気などの災厄が降りかからないかどうかが心配だという。「緊急事態の際、我々は誰からもサポートを受けられない。家族で解決していくしかない」と訴えた。
 障害者はどこで学び、仕事を探せるのかを知りたい、障害を持った人々をサポートしてくれる組織を紹介して欲しいと訴える人々は、真剣そのものである。ナショナルバレーボールチームのコーチも、チームの運営どころか、選手の生活さえ厳しいと訴えている。障害があるがゆえに、思うように仕事に就けず、金銭的に貧しい生活を強いられることも少なくない。アンケートに協力していただいた障害者のなかには、「アンケートに協力しても、何もくれないのですか?」と尋ねる人がいた。まさに、生活の厳しさを象徴している。
 カンボジアでは、多くのNGOが全力で障害者をサポートしている。しかし現状では、すべての障害者が治療や職業訓練を受けられるわけではない。サポート体制はまだまだ不十分だ。
 地雷被害者、障害者の厳しさや悩みが、今回のアンケート調査で明らかになった。これを解決することは容易ではない。しかし、「VOICE OF HEART」を通して、多くの人々に勇気、元気、希望を届けることができることも同時に分かった。ひとりでも多くの人に、夢や希望をもって前に進むための“きっかけ”を与えることがCMCの願い、目標である。「VOICE OF HEART」は、地雷被害者、障害者をめぐるさまざまな問題の解決に向け、継続していく必要がある。

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