福岡農政事務所あての内部告発から明らかになった、三笠フーズ株式会社(本社:大阪市)の非食用「事故米穀」の不正転売。転売先のうち公表に同意した5社が判明した。いずれも九州の酒造メーカーである。
光酒造(福岡)、抜群酒造(熊本)、六調子酒造(熊本)、喜界島酒造(鹿児島)、西酒造(鹿児島)。仕入れ量や流通経路はさまざまだが、原料が製造過程でとどまっているものがあるものの、被害額は2,3億円に登る企業がある。これら5社以外にも菓子メーカーなどあらゆる企業に流れていることが判明した。
調査はまだ途上で最終的に何社に行き渡っているか想像が付かない。直接仕入れた企業が損害賠償を求めることは必至だ。しかし、三笠フーズが事に及んだ背景を鑑みても請求額に耐えられる体力を有しているとは考えにくい。損害賠償を請求できない被害者も少なくない。酒造業界と菓子業界へ流れたとされる中で、わずかに5社のみが公表された。
全容がわからないうちは消費者心理として買い控えたくなるのは当然だろう。本日、鹿児島では県酒造協同組合が記者会見を開いた。加盟企業113社に仕入先リストを送付させるという。
多くの菓子メーカーがホームページ上に「三笠フーズ」の原料は使用しておりませんと記した。無用の負担を余儀なくされたわけだが、仮に全容が明らかになったとしても「ほかにもあるのではないか」と消費者が疑心暗鬼に陥ってしまう可能性も否定できない。