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【見直せ人工島移転】現場の開業医が異議(上)
福岡市政ニュース
2008年9月10日 11:30

 福岡市立こども病院の人工島移転問題で、市内の小児科と産科の開業医師68人が「緊急提言」をまとめた。「人工島はハイリスク分娩を行なう場所ではない」「市の見立てよりも経営収支が赤字になる」「現場の医師の声が計画に反映されていない」などと指摘、市議会で可決される公算が大きくなっている人工島移転計画に、真っ向から異議を唱えている。

 提言書「現場の専門医師からの緊急提言」を紹介する。


                                       
現場の専門医師からの緊急提言
「福岡市立こども病院の人工島移転についてご再考願います」

福岡市立こども病院人工島移転に反対する
市内の小児科・産科開業医の有志
  代表 久保田史郎(産科・麻酔科標榜医)
  代表 日高 輝幸(産婦人科医)
  代表 高木誠一郎(小児科医)

 私たちは福岡市内で周産期医療や小児を対象に診療している開業医の有志です。内訳は、出産を取り扱う産科医19名、その他の産婦人科医21名、小児科医21名、小児の診療に携わるその他の診療科を掲げる医師7名となっています。尚、周産期医療を専門とする産科開業医は市内に21施設ありますが、東区(2施設)を除いた19施設の全ての院長が人工島移転に反対している事を報告します。

 以下の理由から、福岡市立こども病院を人工島に建設することに医療の専門家として異議を唱えます。


1, 人工島は緊急性を要するハイリスク分娩を行なう場所ではありません。

 周産期医療は婦人科の慢性疾患と違って救急医療が特徴です。例えば、胎盤早期剥離は死産になる事が多く、母親も出血が止まらず死亡する事も稀ではありません。この病気は全ての妊婦さんに発症する危険性があり、予測がつかず、病状の進行が早いために治療が遅れ母児共に悲惨な事態を招きます。

 一方、胎児のハイリスク、例えば心臓病の胎児を救命するための母胎搬送の利点が叫ばれていますが、出生前に胎児の心疾患を診断できるケースは稀で、出生後に心臓の異常に気が付く場合が殆どです。つまり、胎児心臓病の出生前診断は難しいために母胎搬送が可能なケースは少なく、出生後に新生児をこども病院に搬送することは今後も変わりません。

 その他の胎児疾患(横隔膜ヘルニア・消化管疾患など)の治療は九大病院の小児外科グループの医療レベルは全ての面でこども病院をリードしています。さらに、こども病院(NICU)は福岡市の未熟児医療に貢献してきました。しかし、人工島は搬送する側の産科開業医にとって不都合な場所です。市内の多くの地域では総合周産期母子医療センターである九大病院や福大病院、そしてドクターカーを持つ徳州会病院など、1分でも早く到着できる既存の施設が優先され、人工島の新病院は東区を除き利用価値が少ないと言わざるを得ません。

 産科病棟が完成してもハイリスクの入院患者は当初の計画の50%以下と予測します。お産に医療事故が多い理由は、周産期医療の全ての病気が生命にかかわる急を要する疾患だからです。母児を障害なく救命するためには発症してから30分以内が勝負です。福岡市中心部から利便性の悪い人工島にこども病院が移転する事は母児にとって危険極まりないことです。以上の理由から、東区を除く市内の全ての産科開業医はハイリスク患者を人工島に搬送するメリットは殆どありません。市内の産科開業医が望んでいるのは高額なドクターヘリではなく、市民(患者)に役立つドクターカーなのです。

つづく

 「現場の専門医師からの緊急提言」(中)
 

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