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仕手銘柄として名を馳せた新井組が倒産(上)

[東京レポート]

 東証1部上場の中堅ゼネコン新井組(本社:兵庫県西宮市、酒井松喜社長)は10月8日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。子会社と合わせた負債総額は449億円。

 新井組は、本業の建設業よりも、株の世界ではつとに有名な会社だった。仕手筋のおもちゃにされ、“許永中銘柄”として知られている。新井組株の流転の歴史を振り返ってみよう。

株の買い戻しを許永中に依頼

 新井組は1938年、新井辰一(1912-2002年)が家業を継承し、兵庫県西宮市で個人創業したのが始まり。1970年代に伊藤忠商事などの総合商社と提携し、マンションを企画。元請は商社が行い、施工を新井組が行うビジネスモデルで業績を伸ばした。

 新井組が仕手筋の標的になったのは1980年代後半のバブル初期。仕手のコスモポリタンに株を買い占められた。会長は池田保次という元暴力団組長。東証1部上場の雅叙園観光を乗っ取った人物だ。しかも、持ち株会社の山口石材の株も渡った。

 創業家の経営陣は、常務に株の買戻しを指示。常務は新井組の下請けをしていた許永中に買戻し工作を依頼。許は池田と交渉の末、すべてを買い戻すことで話がついた。ところが、創業家側は、常務と許永中が仕組んだデキレースと疑い、常務を解任。持ち株会社の山口石材の株は35億円で引き取ったが、新井組株460万株の引き取りを拒否した。

 これに許永中は激怒。新井組株を買い増して、1,120万株を保有する筆頭株主に躍り出た。これが新井組株をめぐる第1ラウンドだ。(日下淳)

つづく

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