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連鎖倒産を防げ!
耳より情報
2008年11月 9日 10:06

 「今週末こそはゆっくり眠れるのだろうか・・・?」建設・不動産業に携わる経営者の思いは皆同じだろう。デベロッパー→ゼネコン→サブコン(専門工事業者=下請け業者)の連鎖倒産は、もはや毎週末の恒例行事。特に10月末の山﨑建設(東京都中央区)の破綻は、サブコン経営者に大きなショックを与えたという。

 同社は、重機土工を得意とするジャスダック上場企業で、1948年の創業。ピーク時には764億円を売り上げ、サブコンの全国組織である社団法人 建設産業専門団体連合会の初代会長を務めたほどの名門企業だ。ここ数年赤字が続いていたとはいえ、業界での知名度と信頼感は抜きんでた存在であった。
 しかし、その名門すらも新井組、りんかい日産建設といった次々と襲う焦げ付きの嵐からは逃れられず、遂には破綻へと追い込まれてしまった。これを目の当たりにした地場のサブコン経営者達の背筋は凍りついたという。

 サブコンは非常に辛い立場にある。特に、鳶・土工・鉄筋・大工(いわゆる労務四職)は、馴染みのゼネコンからの仕事を事実上断ることができない。一度断ろうものなら、二度と仕事は回ってこないからだ。そこには相見積もりなど入る余地もなく、一連托生の関係が延々と続く。裏を返せば、付き合いのあるゼネコンの破綻により、ほぼ例外なく、焦げ付く仕組みがそこにはある。

 このご時世、ゼネコン側はサブコンに大した利益を取らせてはくれない。それなのに連鎖の煽りを食うのは割に合わない。経営者達がこのように考えるのは無理からぬことだろう。
 そこで昨今持ち上がっているのが、「ゼネコン側負担の倒産保険」という考え方だ。サブコンに比べれば、ゼネコン側の方がいくらか体力に勝ることは間違いない。そこで、労災保険のように発注者側(ゼネコン側)が発注代金の数%の保険料を負担し倒産に備える。そうして万が一の場合の連鎖倒産防止、ひいては建設業に携わる人間の雇用確保と業界全体の安定を図るというものである。
 もちろん、これはサブコン側からの意見であり、費用を負担させられるゼネコン側の反発が当然予想される。最終的には建築代金に反映されるため、施主(デベロッパーなど)も良い顔をしないかもしれない。そうした意味では、すんなり決まる話とは言い難い。

 しかし、我々一般市民の側からみれば、これは建物の安全性とそこで暮らす(働く)人間の生命・財産の安全性にかかわる問題でもある。経営に不安がある建設会社が施工した、安かろう悪かろうのマンションやオフィスなどにはできる限り出入りしたくない。これを避けるためのコスト負担はやむなし、というのが大半の見方ではないだろうか。これまで発覚した手抜き工事の多くが、安値で仕事をとりまくる一部業者の所業であったことも記憶に新しい。
 筆者は、施工業者に経営上の安定を、市民へは安心を提供する「倒産保険制度の創設」も悪くないと考えるが・・・。

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