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うさん臭さ漂う地下鉄延伸計画(福岡) 下
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2009年1月20日 10:03

 福岡市が計画している地下鉄七隈線の新たな延伸案には、都市計画という視点が欠けているという指摘がある。
 従来の「天神南‐中洲川端‐ウォーターフロント」という案は、海側の発展には欠かせないとして考えられたものである。現に国際会議場やマリンメッセへの交通アクセスは、決して良いとはいえない。近くに「駅」が無いのである。また、中洲川端駅を重視してきたのは、川端地区を含む博多部の振興という目的を明示するためだろう。福岡市が描く将来像と交通体系の計画が一致していたといえる。

 今回の「天神南-キャナルシティ‐博多駅」という案からは、福岡市の街づくりをどのような方向にもって行くのかというメッセージを受け取ることができない。たんに賑やかな場所を走らせるということなのだろうか。しかし、それだけのことに450億円もの公費を投入する意味はない。何度も述べてきたように、乗り換えさえすれば、現在の地下鉄路線でも博多駅には行けるのである。
 キャナルシティや博多駅に直行できるから、七隈線の利用者が増えるという発想なら、あまりに短絡的であり、都市計画の視点はゼロということになる。もっとも、場当たり的な市政運営が続いてきた吉田市政の2年間を振り返れば、うなずけないこともない。福岡市全体を俯瞰し、10年、20年、30年という単位で、どのような都市にしていくかという議論さえ行なわれていない。市会議員から出されるものは地元対策ばかり。就任から2年も経つというのに、吉田市長から街づくりについての明確な青写真は示されていない。そんな中、突然の地下鉄新案である。地下鉄事業は財政難で延伸計画がストップしていたものだ。新たな提案をしてまで進めなければならない事業とは思えない。もちろん、市民からの要望が多いということもない。
 
 それでは、地下鉄新案が実現した場合、一番恩恵を受けるのは誰だろう。どうも「市民」とは言い難い。よくよく考えれば、天神地区及びキャナルの客を、最終的に呼び込むことになるのは博多駅である。現在の中洲川端からのルートに加え、もう一方からの地下鉄開通で乗降客が増えるのは当然。
その博多駅では新駅ビルの建設工事が進む。つまり地下鉄新案で一番喜ぶのは「JR九州」ということになるのではないか。
 他方、経由地であるキャナルシティにも疑問が残る。第2キャナルへのディズニーランド誘致が頓挫したのは去年10月のこと。同地区開発の継続のためには、地下鉄駅新設は起死回生の策である。

 こうして見てくると、市長の視線は市民の方ではなく、財界の一部だけに向けられているのではないか、という疑念の声が沸き上がるのもうなずける。経済部の記者時代から財界人とのつながりが強いと言われる吉田市長。計画が「瓜田の靴」と思われないよう、十分な説明が必要だろう。
 

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