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オバマ政権の正体(上)
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2009年1月31日 08:20

 米国民のみならず世界中が熱い視線を送るオバマ大統領が誕生。1月20日の大統領就任式には、200万人前後の群衆がワシントンに集まった。しかし、就任式から透けて見えるのは、オバマが背負う苛酷な使命、宿命とそれゆえに米国が何をするか、あるいは米国と世界で何が起きるのか、予測のつかない無気味な新政権の姿だ。

 米国では新大統領が誕生すると100日間は「ハネムーン期間」として、メディアは大統領や政権の批判は控えるのが慣例だ。さらに2001年の9・11テロを機に成立した愛国法もまだ生きている。つまりネットのような非公式情報は別として、新聞やテレビなど公式メディアは国家機密=オバマ政権に致命的な情報は流せない。北朝鮮や中国、ロシアほど露骨ではないが、米国でも事実上の情報統制が敷かれている。
 そんな米国を念頭にオバマおよび新政権を検証すると、初の黒人大統領だけに予想通り就任式そのものから異様だったが、それを指摘するメディアは少ない。

 式典は午前11時半、まず副大統領の就任宣誓があり、音楽演奏をはさみ、12時直前に大統領が就任宣誓。12時から就任演説するのが正規の進行だ。すなわち昼の12時を期して政権交代が行なわれる。ところが今回はなぜか大幅に遅れ、オバマ夫妻が会場の議会議事堂前に姿を現したのは12時を回っていた。
 笑えたのは就任宣誓前の「音パク」だ。昨年の北京オリンピックでは口パク少女が話題になったが、米国も同様だったことが判明した。1月半ばのワシントンはもっとも寒い時期。12時ごろは気温が上がるとはいえ、寒さに変わりはないはず。それでもチェリストのヨーヨー・マら4人の有名音楽家が、元気溌剌に演奏する姿を見て不思議だった。歌はともかく弦楽器は気温や湿気に左右される微妙なもの。まともな演奏は難しいはずなのにヨーヨーのやたら大げさな身振りが気になった。案の定、演奏は事前に録音されたものが流され、演奏者たちはそれに合わせていたという。

 音パクはともかく、中国系のヨーヨーを起用したことでかねてより指摘されるオバマ政権のアジア政策は、「日本より中国重視」を改めて印象付けた。それ以上に米国の闇、日本人からみれば欧米人の病理の深さを垣間見せたのはロバーツ連邦最高裁長官にリードされての大統領宣誓だ。長官の言葉にしたがって宣誓するオバマが一瞬口ごもり、戸惑いの表情が走った。何かミスを犯したのは感じたがその理由が判明したのは、宣誓式のやり直しがあったという報道である。ロバーツ長官が宣誓の言葉の語順を間違え、オバマもそれにつられて間違えたという。
 しかし、宣誓はそう長い文言ではないから長官が意図的にミスリードしたとしか考えられない。黒人大統領に対する白人の牽制、嫌がらせともとれるが、事はそう単純なものではない。というのも再宣誓は翌21日夜、ホワイトハウスの一室で報道陣に非公開で行なわれているからだ。公開された映像はホワイトハウス直属カメラマンによるもの。なぜそうしなければならなかったのか。

 そこで思い出すのがかつて取材した秘密結社フリーメーソンの高位者の証言だ。米国は初代大統領のジョージ・ワシントンらフリーメーソンによって建国された。歴代大統領には同結社メンバーが少なくない。宣誓に使われる聖書はフリーメーソン憲章と一体になったものだという。オバマが昼間に使ったのは非メーソンのリンカーンが使ったもの。やり直し宣誓で昼とは違う聖書が使われるのを報道陣に公開したくなかった、というのは勘ぐりだろうか。ホワイトハウスの説明によれば、再宣誓で聖書は使われていないという。となると後で宣誓は有効だったか否か、大統領としての正当性が問われる。

 さらに不可解なのはオバマの近親者の動向だ。大統領選前にはマケイン陣営とのネガティブキャンペーンもあり、ハワイで生まれたことになっているオバマに対し、ハワイ中の病院を当たってハワイ生まれに疑問を呈したメディアもあった。その真相を知る立場のハワイ在住の祖母、マデリン・ダンハムさんはオバマ有利が確定的になった投票日直前に亡くなっている。さらにもう一人、ケニア在住の継祖母、サラ・オバマさんは健在で大統領当選を喜んでいること、しかも就任式に招待されて出席を約していたことが報道されていた。ところが就任式にサラさんが出席した報道はない。
 「実は彼女も亡くなったようです。彼女、オバマがケニアで生まれたことを口にして、周囲からシーッと制止されている音声が当時取材した米メディアの音声に残っているそうです。そんな人に来てもらっては困るんじゃないですか」というのは米国政治ウオッチャーのA氏。(続く)

【恩田 勝亘】

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プロフィール◆恩田勝亘(おんだ・かつのぶ)
1943年生まれ。67年より女性誌や雑誌のライター。71年より『週刊現代』記者として長年スクープを連発。2007年からはフリーに転じ、政治・経済・社会問題とテーマは幅広い。チェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなどで健筆を振るっている。著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない ― 舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』 (七つ森書館)、『仏教の格言』(KKベストセラーズ)、『日本に君臨するもの』(主婦の友社―共著)など。

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