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オバマ政権の正体(下)
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2009年2月 1日 08:29

 新政権と直接関連はしないが、ヒラリー・クリントンが国務長官になったため、空席となったニューヨーク(NY)州選出上院議員に州知事の要請もあり、意欲を示していたケネディ元大統領の長女、キャロラインさんが「個人的理由」で1月22日辞退表明した。「政界に出たらどうなるか、と脅しが入ったからです。いまの米国はブッシュ家とクリントン夫婦が一体化。かつてのケネディ王朝は政界から完全追放し、今後の米国は両家で仕切るつもりです」(ブッシュ政権に情報源をもっていたB氏)
 英国の黒い貴族出身とされるブッシュ一族、ユダヤ系のヒラリー、近代世界を支配してきたアングロサクソンとユダヤの野合そのままの構図である。パパ・ブッシュが大統領時代に掲げた「新世界秩序」構想にともない、1990年代の金融戦略、そして2000年代の戦争による実体経済戦略による米一極支配が着々進行。彼らの野望が達成されるかにみえた途端、彼らの強欲資本主義が破綻。その後始末のために担がれたのがオバマである。    
 彼自身、それを自覚していたからこその大統領選における「チェンジ」であり、「イエス・ウイ・キャン」だった。しかし、内実は複雑だ。オバマを操る国際金融資本をはじめとする米国支配層内部に対立、確執があり、対外戦略も経済戦略も選挙中はもとより、いまも定まっていない。何をする、何ができるか、具体的に何も言わなかったのもそれだ。
 そして新閣僚の顔ぶれは予想通り、アングロサクソン、ユダヤ系のオールキャスト。それも民主、共和両党にまたがり、新政権が金融、経済破綻の始末をどうつけるか。一つハッキリしているのは、経済をはじめとする内政ではオバマらしいソフト戦略を打ち出しているが、外交はブッシュ時代のハード戦略を棄ててはいないことだ。

 昨年5月、イスラエルはブッシュにイランの核施設攻撃に核弾道付き最新バンカーバスター(地中貫通弾)の供与を要請、米国は断ったとされる。「しかし、実際は秘密裡に2基が提供されている。それに関与した空軍のT准将がその後ピストル自殺しているが、おそらく消されたんでしょう」(前出B氏)。ブッシュ政権は末期までイラン攻撃の機を窺い、ロシア、中国との水面下での駆け引きを演じていた。「それにはIMFの埋蔵金分捕り合戦も絡んでいた。最近、その話し合いがついたといわれるので、米国とイスラエルによるイラン攻撃はいつでも出来る態勢にある」(前出A氏)。
 オバマは新閣僚の国防副長官に大物ロビイストで軍需産業大手レイセオン社のリン副社長を起用した。ロビイストは起用しないという事前方針との矛盾を問われたオバマが、記者に返したのは「I won」の一言。「オレが勝ったんだ。文句あっか」だ。オバマのソフトイメージに惑わされていると、新政権の真の姿を見失う。(了)

【恩田 勝亘】

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プロフィール◆恩田勝亘(おんだ・かつのぶ)
1943年生まれ。67年より女性誌や雑誌のライター。71年より『週刊現代』記者として長年スクープを連発。2007年からはフリーに転じ、政治・経済・社会問題とテーマは幅広い。チェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなどで健筆を振るっている。著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない ― 舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』 (七つ森書館)、『仏教の格言』(KKベストセラーズ)、『日本に君臨するもの』(主婦の友社―共著)など。

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