博多港国際ターミナルの指定管理者選定に関し、担当した福岡市港湾局の藤本道雄港湾振興部長と選定委員の1人が、新たな指定管理者候補として選定されたJR九州高速船株式会社の親会社「JR九州」の石原進社長を囲む会「すすむ会」のメンバーだったことが明らかとなった。論外である。公平・公正であるべき選定委員に、公募に応じてきたJR高速船の親会社であるJR九州・石原進社長の私的応援団とも見られるような「すすむ会」のメンバーが入ること自体、不適切と見なされるだろう。
誤解のないように述べておきたいが、該当する選定委員の経歴や人格にはなんの不足もない。社会的にも高い評価を得ている方であるという。ただ、同氏の石原社長との距離は、明らかに「近い」といわざるを得ない。「すすむ会」は当初、女性中心の構成だったが、徐々に男性もメンバーに入るようになったという。不定期だが日航ホテルなどで集まり開いている。取材に答えた福岡市港湾局の藤本港湾振興部長は、「40人くらいの集まり」というが、80人から100人は名前を連ねているのではないかという他の会員の証言もある。藤本部長が出席した折の人数がその程度だったということになる。いずれにしろ、大多数の福岡市民とはほとんど無縁、大企業JR九州の社長を取り巻く一握りの「セレブ」といっても過言ではあるまい。石原社長とは極めて「近い存在」であり、必然的にJR贔屓と見られて当然。公平公正を期すべき選考委員としては、疑問符がついてしかるべきなのだ。
「すすむ会」のメンバーが選考委員になることだけでも以上のような問題がある。
選考委員は「すすむ会」 担当部長は承知で選任
博多港開発が指定管理者である期間は今年3月までである。05年、選定の結果指定管理者となった博多港開発だが、その期間は3年とされていた。新たに選定を行なう必要があることは誰もが承知していたことになる。関係者の証言によれば、博多港開発もJR側も、選定に向けて早くから動いていたとされる。いずれにしろ、博多港国際ターミナルの指定管理者選定は、公募の手続きを含め9月頃からその作業を顕在化させている。前述のとおり、選定委員として名前が挙がった人物が、JR九州の社長を囲む「すすむ会」であることを承知していたとするなら、担当部長は「不適切」との判断を下すのが筋である。藤本港湾振興部長は、自身も「すすむ会」メンバーであったことから、問題の選定委員も同会メンバーであることを知っていたと認めている。後日、不適切な人選との批判が出ることは分かりそうなものである。さらに問題なのは、「すすむ会」の仲間である「選定委員」と藤本部長は、同部長の言葉では「親しい間柄」であるとしていることである。当事者企業のJRや担当部長とも「親しい」では、どんなに立派な人物であろうとも「公平・公正」な選定に疑義が生じることは自明の理である。中心にいるのは藤本部長であることは間違いない。しかし、JRと藤本部長のただならぬ関係はこれだけにとどまらない。(つづく)