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外食業界の問題点を探る (1)
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2009年2月16日 13:44

 各業界にスポットを当て、その動向をいち早く紹介する新連載。第1弾は昨年あたりから逆風にさらされている外食業界。前段では現状における問題点の検証、後段では逆風を乗り切る秘訣を現場の声から探っていく。

1. 逆風吹きすさぶ外食業界

新しいネーミングもすっかり浸透した「ほっともっと」 日本の外食市場は2005年度から3年連続で拡大した。しかし昨年は、ガソリン価格高騰に影響された日用品の値上げにより、消費者は節約志向を高め、外食を控える傾向が一気に強まった。そこに原材料価格と人件費の高騰、食品偽装や安全性の問題が重くのしかかり、業界を取り巻く環境は一段と厳しさを増した。
 外食産業総合調査研究センターの統計資料によると、07年度の日本の外食産業の市場規模は約28兆円で、対前年比0.3%増の低い伸びに止まった。
 売上高上位を見ても、対前年比で2ケタの伸びを示したのは日本マクドナルドと他1社のみ。逆に「すかいらーく」や「モンテローザ」といったファミレスや居酒屋は大苦戦。地元九州でも弁当店ほっともっとを運営する「プレナス」、ファミレスの「ジョイフル」は1ケタの伸びかそれ以下、「ロイヤルHD(ホールディングス)」が展開するロイヤルホストに至っては08年の通年売上高は6%減だが、売上げは28ヵ月連続で前年比マイナスと低迷を続ける。
 手軽で割安なFF(ファストフード)がお客の節約志向で好調に推移する一方、家族やビジネスマンが主体のファミレスや居酒屋は苦戦を余儀なくされた格好だ。さらに昨年秋 以降、世界的な金融危機で景気は一気に後退しており、今後、個人消費が低迷すれば、外食産業全体の売上げダウンは否めない。

陳腐化回避の業態、M&Aの活発化

 ただ、低迷の原因は景気後退だけではない。元来、外食企業はファミレスや居酒屋などの業態を開発し、そのフォーマットをチェーンシステムに乗せて多店舗化。売上げアップとコストダウンを図る経営スタイルで発展した。
 ところが、今日のように市場が成熟すると、全国どこでも同じ店舗、同じ味では陳腐化して顧客離れを起こすのは言うまでもない。定期的なメニューの改編やイベントの開催も、事業を活性化させるとまでには至らず、抜本的な経営戦略の立て直しが急務となっている。
 また、企業間格差が大きいことも、業界低迷の一因となっているようだ。07年度の上位100社の売上高合計は、前年比4.4%増の約5兆140億円。そのシェアは20%で、06年度から1%ずつアップしている。経営力に優れた上位企業による売上の寡占化が進んでおり、こうした傾向は、今後も一段と進むと見る企業幹部は多い。
 2010年にかけて大手が低迷する企業を買収、経営統合が進む可能性は高いと思われるが、「吉野家HD」のように傘下入りさせた企業の経営を、必ずしも軌道に乗せられるとは限らない。企業がM&Aのメリットを享受できるのは、卓越した経営力や安定した財務基盤あってのことだ。
 一方で、チェーン化による陳腐化を避け、幅広い業態を多様な消費者が集まる都会に出 店する「ダイヤモンドダイニング」のような企業も現れている。企業間格差が進む中で、 外食業界はビッグカンパニーとオンリーワンカンパニーに二極化していくことも十分に考 えられる。

【釼 英雄】

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