NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

深層WATCH

「日本郵政の暗闘」最終局面へ 郵便法違反事件で攻守交代か(2)
深層WATCH
2009年5月 1日 09:00

西川氏の巻き返しか
 西川氏はまず、2006年1月に民営化準備会社社長に就任。07年4月には旧郵政公社の総裁にも就任し、同10月の民営化でそのまま初代日本郵政社長に就いた。竹中氏らは西川氏の準備会社社長を内定していたにもかかわらず、断られるのを承知で別の財界人に声をかける小細工も施すなど、当時から民営化のうさん臭さが指摘されていた。そしてスタートして間もなく聞こえてきたのが、内部の不協和音だ。
 曰く、「生田正治総裁(元商船三井会長)の公社時代は上の方針が現場にも伝わってきたが、今は上が何を考えているかわからない」、「4社の社長ですら日本郵政には何も言えない」、「現場はコスト削減とノルマばかりで大変」などという西川体制への不満だ。原因は西川氏が旧住銀から連れてきた横山邦男日本郵政専務執行役をリーダーとする「チーム西川」と呼ばれる4人組。「彼らが西川氏の下ですべてを仕切っている」(社員)からだ。
 その結果の一つが「かんぽの宿」問題。譲渡先が竹中氏とともに政府の各種委員会に名を連ね、規制緩和の旗振りをした宮内義彦氏のオリックスであれ、「デキレース」である。うさん臭いのはそれだけではない。保存するか否かで東京中央郵便局の建て替え問題も浮上したが、全国各地の大型郵便局の建て替え計画もチェックする必要がある。というのも、民営化以前の段階から財閥系大手不動産などとの話し合いを進めていたからだ。不動産売却、建設工事など、大型プロジェクトから各種調達まで精査すれば、何が出てくるかわからない。
 そして6月が役員改選期となる西川社長に対し、「かんぽの宿」で鳩山邦夫総務相が経営改善命令を出したのが4月3日。追い詰められた西川氏の退陣必至というところで、降って湧いたのが郵便法違反事件である。正確には「昨年夏、うちが記事にしていたのを大阪地検が追っていたもの」(朝日新聞記者)というから、タネは撒かれていたことになる。同事件が批判派の痛手になるのは、舞台が郵便事業会社だからだ。というのも、同社の團宏明社長は旧郵政省キャリアで、今年1月には批判派の期待を背負って日本郵政の代表権のある副社長に就任。「旧郵政のエース」として、旧大蔵出身の高木祥吉副社長(ゆうちょ銀行社長)とともにポスト西川の資格を得たばかり。事件の展開次第とはいえ、「西川が退任しても道連れにされる」(政界関係者)こともあり得る。

検察の姿勢問われる

 事件の見通しが難しいのは、当面の矢面になりそうなのがまたも小沢民主党だからだ。検察は西松建設事件で小沢代表の秘書を逮捕したものの、世論の反発の強さに拳の降ろしどころに困っているかに見える。しかし、今回の事件で逮捕された容疑者の政界人脈は前田雄吉、牧義夫氏ら民主党現職あるいは元民主党所属議員。以前からくすぶっている同党の「マルチ議連」関係者として、山岡賢次、石井一議員ら、小沢氏に近い人脈にも繋がる。
 西松建設事件は、「ロッキード以来の検察対旧田中派の最終決戦」とする見方もある。小沢氏が旧田中派のシンボリックな存在だからだ。故・田中角栄元首相は直接的にはロッキード事件で失脚したが、国際的には日中国交回復、日本のエネルギー自立を志向し、「米国の虎の尾」を踏んだのはたしか。その旧田中派の牙城が、旧建設省と並んで旧郵政省だった。検察にとって郵便法違反事件は絶好のネタであろう。しかし、サブプライムローン同様、郵便法違反でつくった巨額のカネは与野党あちこちへまわっている可能性大だ。
 秘書が逮捕される前、「北朝鮮から拉致被害者を戻すにはカネを払うしかない」、あるいは「米軍は第7艦隊だけで足りる」など、首を傾げたくなるような小沢発言があったのは事実。とはいえ、「田中逮捕に関わった検事のほとんどが米国研修組だった」という副島隆彦常葉学園大学教授の指摘があるように、捜査に何らのか意図が感じられるようであれば、西松建設事件同様に検察の姿勢も問われる。

関連記事

powered by weblio


深層WATCH一覧
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル