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直撃インタビュー

【トップインタビュー】「岩崎産業」代表取締役社長 岩崎芳太郎氏(1)
直撃インタビュー
2009年5月 7日 08:59

小泉・竹中構造改革の罪 今こそ地方が立ち上がる時

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2009年2月、『地方を殺すのは誰かー立ち上がれ、圧制に苦しむ地方の経営者よ!』を著した岩崎産業代表の岩崎芳太郎氏。強烈な本のタイトルの裏側には、中央に対する批判のみならず、声を上げない地方経営者に対する檄の意味も込められているようだ。そんな岩崎氏の想いを存分に語っていただいた。

所在地:鹿児島市山下町9-5
創 業:1923年5月
設 立:1940年4月
資本金:39億円(グループ全体)
年 商:(08年度)約530億円 (グループ全体)

終わらない「富の収奪」
 ―当社は地方の中小企業経営者のサポーターとして活動していますが、今回の著書はまさにそうした方々へのメッセージだと思います。

 岩崎 地方経営者の視点から見たとき、あえて言えば弱肉強食的な資本の対立構造、本来は対立すべきものではないのですが、アメリカ型資本主義が入り込んできた。そこでは無人格の資本が自己増殖するのを是とするために、目に見えない資本家の人たちに絶対的に資本利子を配当しないといけなくなります。ここに一番の価値観を置いている。

 ゆえに、バランスの良い富の分配という思想は無くて、利を互いに分け合うこと(win win の関係)から1人の人間が富を収奪独占できるということなったわけです。資本家の私がこう言うのも変ですけどね。

 資本主義という言葉を考えたマルクスは、共産主義や社会主義の対義語としてそれを想定しており、資本という概念、搾取という言葉を作りました。一般的に言えば「富の収奪」です。マルクス的にみると、ここに資本主義の怖さがあります。

 ―そうすると、資本主義市場を実際に支配しているのは誰ですか。

 岩崎 同じことをマルクスと違う目線で見ているシュンペーター的にいうと、自己増殖する巨大資本を実際にオペレーションするのは基本的に人間です。しかし、現実的には1人でそれを支配し収奪を実行できるわけではありません。市場という概念のなかで金融市場ができ、目に見えない投資家というものが出てくる。

 ここからは日本語の問題です。巨大資本のビューロクラート、テクノクラートを一般的に「官僚」と訳してしまっていますが、彼らがオペレーターとなります。そのため、自己増殖する問題組織を公的組織だけにしてしまっており、銀行などの大企業こそ、シュンペーターが問題とする組織なのです。民僚もビューロクラートなのです。要するに資本のヒエラルキーのなかで官僚や民僚たちがそれをオペレーションすることになり、余計に無人格の資本が自己増殖しているのです。社会主義の敗北も資本主義の終焉も巨大独占組織のオペレーターたる官僚・民僚が原因者なのです。

 ―そうして富の偏在が起こってくると。

 岩崎 シュンペーターの言説に、「独占資本主義は革新性、創造性を失って逆に非効率な組織になり、最終的には瓦解あるいは自壊していく」というのがあります。つまり、資本主義が活性を維持するためには創造的革新を行なえる起業家たちが出てきて経済の活性を取り戻さないといけません。ところが、その起業家たちが死滅しつつあるのです。もしそれができなければ、富が偏在してしまうにもかかわらずです。

 今日本で起こっていることは、マルクスやシュンペーターの言説そのものですよ。その一番象徴的なものが民営化であり規制緩和です。

~つづく~


【大根田康介】


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