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定数削減競い合う自民・民主のおかしさ
政治
2009年5月26日 16:35

 民主党の鳩山由紀夫代表は25日、衆院の議員定数(480)を80減らすことをマニフェストに盛り込むことを明らかにした。これは自民党の菅選対副委員長が衆院の定数を50以上削減すべきだとの考えを表明したことに関連して述べたものである。
 同じく民主党の岡田克也幹事長は25日、国会議員の定数削減は参院も含めるべきとの考えを示した。
 民主党は、2003年に公表したマニフェスト以来、衆院定数のうち比例代表(現行180)を80削減することを掲げており、鳩山代表はこれまでと同じ方針で次期総選挙に臨むことを明確にしたといえよう。
 一方、自民党内からも「参議院の定数削減を」(伊吹文明元幹事長)の声も出ており、総選挙を前にして議員定数削減をめぐって自民、民主の競い合いが激しさを増してきている。
 国会議員の定数削減をめぐるこうした競い合いが果たして国民や有権者の利益に適うのか考えてみたい。
 現憲法下で国民を代表する国会議員の定数削減は、民意の切捨て、削減につながるものとの見方もある。とくに比例代表については、政党の得票に応じて議席を配分するもので、現行の小選挙区比例代表並立制のなかで民意を正確に反映しているものである。もし削減が実現したら民意が正確に反映できず、多様な民意を切り捨てることにつながる可能性が生じる。
 定数削減の前に、現行の選挙制度の弊害を是正することが先決ではなかろうか。現行の小選挙区比例代表並立制の問題点として、小選挙区で多様な民意が反映できないこと、比例区が11に分かれているために小政党には不利なこと、比例区に無所属候補が立候補できないことなどが挙げられている。こうしたことはこれまでの選挙でも実証されているし、学問的にも指摘されている。国会が国権の最高機関としての権能を果たすためには、選挙制度の改革こそが求められているのではないか。多様な民意を汲み取り、政治に反映させていく仕組みを作っていくことこそ、競い合うべき課題であろう。大政党に有利な選挙制度を守るための、また政権を維持するためだけの定数削減は避けるべきだ。マニフェストにおける定数削減は、選挙民に対して「国会議員自らが身を切っている」ことを見せるパフォーマンスとしては受けるかもしれないが、そうした発想はやめるべきだ。定数削減で年間約80億円(80人分)の国費が削減されたにしても、国民にとってはもっと多くのものが失われるかもしれない。

【武田】

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