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コダマの核心

高松宏様への送辞(5) 100億円後の栄枯盛衰(後)
コダマの核心
2009年6月 9日 11:41

<やむにやまれない方向転換>
090609_kodama.jpg 宏さん!!「高松組の94年の組織寿命を延ばすには大胆な方向転換をすべきだった」と提案しました。「できなかったのは、貴方の御曹司としての決断のなさだ」と叱責をしましたが、決して貴方の性格・資質にすべてを帰結するようなことはしません。脱請負に挑戦したくてもできない背景がありました。高松組が『借金過多』という資金構造を背負っていたからです。要は過去、儲かってこなかったという事実があります(添付のバランスシート参照)。
 北九州のゼネコンの社長が驚きの電話をかけてきました。「高松組は30億円を超える借入をよく調達したものだ。羨ましい。他の福岡の建設業者においても、借入を沢山している企業が多いなー。北九州では、したくても銀行が貸してくれない。だから、我が社は不動産2ヵ所の購入資金の借入が8億円しかない。つつましく経営をやるしかないよ」。たしかに、北九州の建設業者は地味で、借入を極力削減して経営をしていますねー。
 宏さん!!高松組の2008年3月期の貸借対照表を参照されるとわかりますね。この期は株式会社として67期目になります。株主資本を見れば一目瞭然です。内部留保が非常に欠乏しています。名門・老舗の看板がある割には寂しすぎますよ。資本金7,000万円なら最低、諸々の利益積立金は資本金の5倍あって不思議ではありません。そうなると株主資本が4.2億円となり、株主資本率(自己資本率)が4%になります。まー、この規模・水準では合格点とは言えませんがー。及第点の最低は10倍欲しいですね。積立金の項目で7億円とあります。67期ですから、1期の決算の度に1,000万円ずつためていけば到達できる水準です。ところが、現実の資産表には利益剰余金類は9,854万円しかありません。1期で147万円しかたまってこなかった勘定です。これでは資金力が脆弱であるのは否めません。
話は横道にそれます。07年3月期の決算書が信頼できるとは限りません。端的にいえば、粉飾決算でしょう(自己破産の申立書には債務超過が14億円台になっていました。厳密に査定を行なえば20億円に達するでしょう)。厳しい表現ですが、宏さん!!名門・老舗の割には儲けることが下手だったのですね。ですから、『100年一度の大激変』時代に必要な軍資金の手持ちが僅少で、全面的な衣替えができなかったのですね。結局は、中途半端さが災いして倒産してしまったのです。

<100億円達成する前から資金は厳しかった>
07年3月期に100億円を突破したといっても、この3月が一番、資金繰りに余裕があるということではありません。決算の締めとは過去の1年、いやそれ以前からの積み重ねの集大成となる行為です。過去の数字です。自転車操業の受注(儲けがない繰り回し)だから、名誉の100億円台に到達しても受注高を減らしたら資金が回らなくなります。
宏さん!!聞くところによりますと、「ロワールの前原市波多江の物件に関しては、御社の方から積極的に営業をかけてきた」という証言も得ました。となれば、儲からなくても繰り回しのために仕事を取らなければならない宿命を背負っていたということになります。資金繰りにも追われていたのでしょうね。『完工高100億円突破』は、高松組にとって新しい時代への飛翔記念にはならなかったのですね。

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