相談者　56歳男性

　私どもは高級ブランドのバッグや小物、衣類などを販売する会社で、各地に十数店舗を展開しております。毎月１回の月例会議で全店舗の店長を集めて、業績報告とともに最近の店舗の様子なども報告してもらうのですが、ある店舗でショップの倉庫から商品がなくなる事件が起こっているとの報告を受けました。
　倉庫から商品がなくなる…。それも外部から侵入した形跡はなく、ここ数カ月に渡ってたびたび商品がなくなっている。最初は小物や衣類で一つ二つだったのが、最近ではバッグや貴金属も数点ずつなくなっているとのことでした。在庫管理体制や当該店舗の店長からの状況を聞く限り、内部の犯行であることは間違いありません。
　私は店長に誰の犯行なのか、疑わしい人物に心当たりがあるのかを尋ねました。すると店長は、「疑わしい社員はいるかもしれないが、確実な証拠がないので断定はできません」と答えました。
　それもそうです。この不況のなか、社員一丸となって必死に業績を伸ばそうと努力してくれています。当社は、本部である程度の企画は立てますが、細部に渡るキャンペーンなどの内容や、そのスタイルは各店舗に任せ、それぞれの店舗の個性を発揮してもらい、その業績に見合う報奨金を出すようにしています。その結果、店舗内での結束力や団結力はとても強く、互いに信頼して仕事をしてくれていますから、店長が犯人を断定するというのは非常に辛いことでしょう。
　会社の商品が紛失するという大変な事件ではありますが、社内のことであります。私は事件に関わり合いのない社員のことも考え、知人に紹介された法人調査を数多く手掛けている探偵社に依頼することにしました。
　まずは、商品紛失の経緯や店舗内での人員の配置、在庫管理体制などを詳しく確認しました。そのなかで、疑いのある男性社員Ｍ氏の行動調査を１週間に渡って行なうことになりました。その結果…!?

（つづく）

総合探偵社Ｆ．Ｒ．Ｃ．　鈴木教夫
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　福岡県公安委員会　探偵業届出証明　第90080079号

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