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「のりピー」騒動の意外な側面(上)
深層WATCH
2009年8月25日 10:08

 麻生首相がいくら「政策」と叫んだところで、民主党陣営から上がる「政権交代」の声にかき消され、各種世論調査が示すように選挙戦は民主党ペース。とはいえ、政権交代が現実味を帯びるほどに与野党間の闘争が熾烈化、本番に向かって何が起きるかわからない。注視していたら降って湧いたのが芸能界の麻薬、シャブ騒動と地震だった。ビッグネームの立て続けの逮捕劇にテレビのワイドショーは当然、一般ニュースでも連日の大報道だったが、何かがおかしい。

  発端は押尾学の麻薬取締法違反による逮捕である。六本木のマンションで一緒にいた女性が死体で発見され、事情聴取とともに尿検査された結果、合成麻薬の陽性反応がでたというものだった。歌手兼俳優の押尾は若い人に人気があるところから、メディアが一斉に動き出すのは当然だろう。ただ芸能人とクスリの話ならとくに珍しくもない。ところが死んだ女性の素性について、当初、有名政財界人の「身内」という未確認情報が流れていた。
 なにしろ時期が時期である。政財界人の立場によっては選挙戦にも影響する。いわゆる「ガセ情報」の類かもしれないが、頭に入れておく必要があると思った矢先に起きたのが酒井法子、通称「のりピー」の事件である。以来、延々と報道されているが、そのほとんどは酒井容疑者絡みのそればかりで、押尾事件についての報道が極端に少ない。
 国内のみならずアジア各国でも人気のある酒井だ。芸能人としての実績、知名度は押尾をはるかに凌ぐとはいえ、その「偏重報道」は異様である。事件そのものは自称プロサーファーの夫、高相祐一が覚醒剤所持で逮捕され、酒井本人は子供を連れて雲隠れ。その後、酒井の自宅から覚醒剤が発見されて本人にも逮捕状が出たものの、しばしの逃走劇を続けた末に出頭するというあえて世間の耳目を集める挙に出たのはたしかに不可解。まるで誰かの指示に従って動いているかのようではあるが、要はシャブ漬け芸能人夫婦の正体が暴かれただけで事件そのものに奥行きがありそうには見えない。
 何かあるとすれば、メディアの目を引きつけておくこと自体に意味があったのではないか。政治的には解散から本番入りまでのダラダラ感を埋める格好のネタではあるが、与野党どちらにとってもあまり意味はない。逃走劇でわざわざ身延山や立川市など、宗教団体・真如苑の施設があるところに足跡を残すのはかなり意図的な匂いがするだけに、宗教団体同士の確執が考えられなくもない。とくに今回の選挙は創価学会・公明党に加え、幸福の科学も幸福実現党で参戦している。
 しかし、「真如苑は選挙で表立った活動はしないし、特定政党に肩入れすることもない。動くときは与野党を問わずあくまでも候補者個人との関係だけ」(同教団関係者)であり、組織的な真如苑バッシングでもなさそう。
 「末端で幸福の科学あたりと信者の取り合いはあるようですが、土壇場まで教祖(大川隆法総裁)が出馬する、しないでドタバタやっている戦略性のなさからいえば、幸福の科学も関係ないでしょう」(公安関係者)。
 となれば酒井騒動でだれが利を得たか。やはり押尾というより、押尾事件関係者であろう。

(つづく)


恩田 勝亘【おんだ・かつのぶ】
1943年生まれ。67年より女性誌や雑誌のライター。71年より『週刊現代』記者として長年スクープを連発。2007年からはフリーに転じ、政治・経済・社会問題とテーマは幅広い。チェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなどで健筆を振るっている。著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない―舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』(七つ森書館)、『仏教の格言』(KKベストセラーズ)、『日本に君臨するもの』(主婦の友社―共著)など。

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