戸建事業と不動産事業の苦戦で上半期赤字に転落~積水ハウス
積水ハウスは9月1日に2010年1月期の連結純利益が、前期比△48%の60億円になりそうだと発表した。従来予想は65%増の190億円を見込んでいたが、個人消費の低迷を背景にコア事業の戸建て住宅の受注が想定よりも落込んだ。さらにはマンション販売も苦戦しており、上期(09年2~7月期)の最終赤字が23億円になることが重荷になって、通期予想は売上高が△8.9%の1兆3,800億円(従来予想は△4%の1兆4,600億円)に下方修正した。営業利益と経常利益もそれぞれ△70.9%の215億円(従来予想 △47%の390億円)、△72.8%の210億円(従来予想 △50%の385億円)に下方修正した。同時に発表した上期決算の連結売上高は、前年同期比△14.7%の6,680億円、最終損益は23億7,300万円の赤字(前年同期は280億円の黒字)だった。
事業部門売上高別に見てみると、再開発事業を含む不動産開発部門が△17%の2,650億円と最も落込む。07年1月期には「赤坂ガーデンシティ」、08年には「東京ミッドタウン」と大型再開発事業の売上と利益(利益率50%強)が同社のコア事業が低迷するのを補ってお釣りが来るほど収益を向上させた。しかし2010年1月期はめぼしい開発物件もなく、端境期に入ることが大きい。とくに再開発事業は、△97%の僅か17億円まで落込む上に、受注高もゼロだ。
大阪梅田北ヤードや御堂筋などでの大型都市再開発物件を施工中(一部中断)の物件があるが、とくに本町ガーデンシティ(旧イトマン本社ビル跡)、本町南ガーデンシティの物件は市場価格の2倍程度で購入しているため、事業の採算性を不安視する向きもある。前述した東京赤坂や六本木の物件で大儲けした構図と逆の目が出るのではないかというのだ。同様に、ソニー跡地の再開発事業も、土地の値下がりや賃料の値下がりの影響を受けて、収益性に疑問符がついている。ミニバブルで味をしめた都市開発事業の深追いが、同社の足枷となりつつある。
同事業の売上高は、06年1月期が386億円、07年1月期 792億円、08年1月期 753億円から、09年1月期は599億円に減少し、今期(2010年1月期)は17億円にまで落込む見込みだ。営業利益は07年1月期529億円、08年1月期 577億円であったが09年1月期には322億円と急減する。今期はさらに大幅な落ち込みとなり、6年前の水準を下回る。
戸建て注文住宅部門(工業化認定住宅請負部門)は△11%の6,100億円。6月以降の政府の景気対策も期待通りの効果が出ておらず、いくらか受注が上向いたとはいえ、2010年1月期の利益計上には間に合わない。唯一の増収部門は不動産賃貸部門でアパートの借り上げ事業が寄与しているという。
【徳島 盛】
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