<「世間知らず」が今回の事件を起こした>
5日の取材でわかったことがある。新井康夫氏が「不当な逮捕」と叫んで、検察と戦っているという。ここで明白になったことがある。筆者は「力丸税理士の助言だけを真に受けて、E社の経営陣が国税と対立するという行動に踏み切るのか」という疑問を抱いてきた。力丸氏は確かに、「国税との交渉は任せてください」と胸を叩いただろう。と同時に、オーナー・新井氏も、税務顧問の方針に共鳴をした。「消費税3,800万円を払いたくない」という一心の状態であったから、即座に力丸氏の方針に従った。いや、推進を命じたかもしれない。
E社にとって3,800万円の消費税納入が死活問題であれば、国税に逆らう気持ちにも多少は同情する。このくらいの金で、屋台がぐらつくことはない。世間の信用を考えることができる経営者であれば、国税と拮抗する道を極力、慎むであろう(このことは最後の経営教訓で触れる)。新井オーナーは近年、経営の表舞台には現れないようになった。裏側で、金勘定の立ち回りだけに専念してきたのだ。
例えば日本経済新聞・TQの要職にあったS氏を、E社の社長にスカウトをしたことがある。S氏の顔でE社の活動エリアが拡大されたことは誰もが認める。そのあとは、新井社長が有能な外交活動をしてきた。だから、オーナー・新井康夫氏は勘違いをしたのだ。「世間は、E社をドンドン認知してくれている――」そう錯覚していた。「新井社長・S氏・その他幹部たちが、必死の思いでE社のブランド造りに苦労を積み重ねてきたことを、少しでも理解していたら」と悔やまれる。要するに康夫氏は、世間知らずの『シルバー62歳』であったのだ。
<戦うには、「首尾一貫」を貫け!!>
10月9日に逮捕された際、E社のウェブサイトでは「コンプライアンスを遵守していきます。問題となった消費税の予納はいたしました」とコメントされていた。税金を納めれば済むということではないが……これだけ緊迫するのであれば、当初から想定した対策を講じればよかったはずと、ここでも悔やまれる。
新井オーナーが不当逮捕の戦いをしていることを、先ほど報じた。新井社長に私見を述べた。
「力丸税理士を釈放したという意味は、検察側が法廷で立証できる、勝てる証拠を固めたということです。検察側有利の陳述書も準備されたはずだと思います。ここでご主人が否認して、ガッチンコで戦う姿勢を貫くならば、初公判まで保釈されません。それは得策ではないと思います。争い続け、一審、二審と判決が出ます。そのたびに、『E社の消費税脱税の判決下る』と新聞、TVで流れます。そうなると、耳にした人、目にした人は、たとえ1件の争いでも『E社はたくさんの争議案件があるのだな』と悪印象を抱きます。最近の例でいえば、商品取引詐欺で摘発された会社の裁判情報が流れると、『まだ余罪があるのか』と予断と偏見を抱くではありませんか。1件の事件ですが、あれと一緒です。早くご主人を釈放させる選択を行なった方が賢明です」。
その後E社が、オーナー・新井氏が保釈されやすい方向に舵を切ったかどうかは定かではない。ただ、「検察の不当さにへりくだれ」と勧めているのではないことは強調しておく。戦うならば「首尾一貫した方針を貫け!!」と指摘したいのだ。
(つづく)
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