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地獄からの生還(18)~脱税をしてなにか得があったの?エントリーサービス(4)
コダマの核心
2009年11月13日 08:02

<E社のリスク管理の教訓は何なのか?>

1.「消費税は『預かり金』よ」
 今回の消費税の脱税事件を、所得税の脱税と同一視すると本質を間違う。所得税をめぐっては、さまざまな見解の相違がある。だから、争う観点から相違が多々生じる。しかし消費税の場合は『預かり金』であり、払いに含まれた消費税部分の差額を納めることになっている。今回、E社の関連会社を設立させて「新設会社は2年間、消費税を払わなくてよい」というルールを悪用したと見なされているのだ。E社関連外での取引であれば正当化の余地もあるだろうが、グループ内での還流であれば、悪質と断じられても仕方がない。消費税脱税という行為を、世間は「ずる賢い・信用ならぬヤツ」と断じる。ケチなことは止めよう!!

2.脱税事件で逮捕されたら『まず終わり』
 前述したが、脱税で逮捕された鳥飼ハウジングの場合、井口社長の対外活動が皆無となり、結果、企業の精彩が鈍くなった。ゴリラマークが生き生きと見えたころの同社の面影はもうない。マンションデベロッパーの作州商事の場合は、法人の脱税でないことで救われた。当時のオーナー・城戸氏の個人所得の脱税であったから、ことなきを得た。城戸氏はガンで急逝した。
 どうであれ、会社が脱税で摘発・逮捕の事態になったら、企業は終わりという覚悟が必要だ。

3.争うなら『予納して争え!!』
 逮捕にいたるまで税務当局とこじれるなんて、経営者として「リスク管理が無策」という烙印を押されても仕方がない。所得税をめぐる争いとなれば、予納して裁判に向けた万全な準備をすることだ。最低限、感情的な対立が高じて犯罪事件にエスカレートすることは阻止すべきである。裏を返せば、脱税(節税?)確信犯になったらいかがかな!!筆者の友人Aは、堂々と節税(脱税)操作を繰り返す。3~4年目で税務捜査が入る。Aは喧嘩をしない。「すみません!!いくらで手を打ってもらえるのでしょうか?」と低姿勢でお伺いを立てる。税務署側も心得たものだ。「5,000万円用立ててください」と伝える。以心伝心。

4.プロにも『千差万別の能力差』が!!
 E社の規模の場合は、公認会計士を顧問にすべきであっただろう。力丸氏の「国税OB」というキャリアを期待していたが、今回は期待外れに終わった――というよりも、裏目に出た。力丸氏の判断にオーナー・新井氏が迎合して、最悪の事態を招来した。経営者側として、専門家の能力を鑑定することが今後は「死活問題」になってくる。税務顧問に関して言えば、その選択で企業の命運に関わるケースは珍しい(今回のE社の場合は特別に稀な例)。
 だが、顧問弁護士の場合は、その『能力の差』で悲喜こもごもの命運が決まる。重要な局面で打撃を受けるか、回避できるか、企業の環境が「天国と地獄」とに分けられる。「地獄に行くはずが生還できた。地獄に行く必要がないのに転落した」の明暗は、弁護士の腕にかかっている。それだけ、顧問弁護士の選択は難しい。
 「JCのつきあいだから、顧問弁護士にした」というような安易な決定は、後日になって取り返しのつかない悔みを生む。
 経営者には、専門家の能力を吟味し、使いこなす鑑定力と胆力が問われるのである。


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