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東京レポート

消費者金融市場の淘汰が進むなかで 買収を加速するネオラインキャピタルとは何者か?(上)
東京レポート
2009年11月11日 17:12

 アイフル・ショックが消費者金融業界の淘汰・再編を加速させた。消費者金融独立系のアイフル(福田吉孝社長)が9月、「事業再生ADR」と呼ばれる私的整理を打ち出したことから淘汰が強まった。アイフルが提示した再生計画案は、約2,000人の人員削減と有人店舗を4分の1に減らすことが柱。アイフルが約2.000億円、クレジットカード子会社のライフが約800億円の債務の返済猶予を金融機関に求めた。結論は12月末に出る。

<アイフル・ショックが直撃>
 アイフル・ショックが消費者金融業界を襲った。10月、プロミスが突然トップ交代を発表。11月1日付で創業家出身の神内博喜社長が退き、三井住友銀行出身の久保健氏が社長に就いた。
 プロミスが三井住友フィナンシャルグループと資本提携に踏み切ったのは2004年。三井住友は現在、20.7%の株式を保有する筆頭株主だ。過払い利息の返還請求額が減らず、兜町では「三井住友とプロミスは資本提携解消か」との噂が飛び交っていた。
 神内社長は、「銀行の傘の下に入らなければプロミスの存続は難しい」と判断して、社長を退いたわけだ。早晩、三井住友の子会社に組み込まれるのは時間の問題だろう。
 いち早く、銀行の子会社になる道を選択したのがアコム(木下盛好社長)。昨年12月に三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社になった。三菱UFJはTOB(株式公開買い付け)を実施し、アコム株の保有比率をそれまでの15.7%から36.8%に引き上げて子会社化した。アコムは三菱UFJ傘下に入ることで、生き残りを図ることにした。
 アイフル・ショックが直撃したのは、独立系の武富士(清川昭社長)。格付け会社のS&Pは10月、武富士の格付けを「BBプラス」から一気に5段階引き下げ「Bマイナス」とした。5段階も引き下げるのは異例なこと。銀行のバックがないため、「資金調達の制約や有利子負債返済負担の増加で、短期的な資金収支が悪化している」というのが、引き下げの理由だ。
 消費者金融市場は、過払い利息返還請求の高止まりや規制強化、金融危機の影響で急激に縮小。淘汰が加速しているのが、メガバンクを後ろ盾に持たない独立系だ。
 「腎臓売れ、目ん玉売れ」の恫喝取り立てで悪名を轟かせた商工ローン業界では、SFCG(旧・商工ファンド)が今年4月に民事再生法を棄却されて破産手続きに移行。ロプロ(旧・日栄)は11月2日、会社更生法の適用を申請した。

<レナウンの筆頭株主に登場>
 では、「事業再生ADR」による再建手続きを進めている、独立系のアイフルはどうなるか。回収一辺倒の仕事になる。貸付業務よりも回収を最優先して、金融機関への返済に充てるためだ。クレジット子会社のライフをはじめ、消費者金融子会社を売却。事業は大幅に縮小して清算に向かうというのが大方の見方だ。
 アイフルは9月下旬、ワイド・トラストなど連結子会社4社の株式と、これら向け貸付金を消費者ローン会社のネオラインキャピタル(東京都港区、千葉信育社長)に売却した。4社の株式譲渡額は各社1円だが、貸付債権合計で約100億円の値がついた。今後も、貸付債権の大部分はネオラインに売却するとみられている。
 ネオラインとは、一体どんな会社か。アパレルの名門、レナウン(北畑稔社長)を揺るがした筆頭株主と言ったほうが分かりやすい。
 今年4月、レナウンの発行済み株式の24.87%を保有する筆頭株主のSPICA2号投資事業組合(藤澤信義・業務執行組合員)が、関係者3人を取締役にするよう株式提案を行なった。SPICAは、ネオラインキャピタルが組成した投資ファンドだ。
 これに対して、レナウンは経営陣の総入れ替えを逆提案。後任社長に起用する経営企画部長の北畑氏をはじめ、40歳代にバトンタッチする捨て身の反撃に出た。両者の駆け引きが火花を散らすなか、ネオライングループの藤澤氏がレナウンの社外取締役に就任することで妥協が成立した。

(つづく)

【日下 淳】


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