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国土交通省発注工事の闇
社会
2009年11月26日 08:35

 九州地方整備局(以下、九地整)は国土交通省の出先機関である。沖縄を除く九州地方全域をカバーして河川、道路、空港、港湾などの国直轄事業を担い、出先とはいえ09年度だけで総事業費1兆2,000億円以上(補正予算含む)の予算を有する。

 その九地整発注工事には明らかに闇の部分が存在する。蠢くのは九地整OB、政治家である。その実態が如実に表れたのが報じてきた九地整発注で、宮川建設(福岡市中央区)と淺川組九州営業所(北九州市小倉南区)で構成される「宮川・淺川経常建設共同企業体」が受注した『博多港(須崎ふ頭地区)泊地(-12m)浚渫工事(第2次)』(昨年10月入札分)である。

 昨年10月の同工事入札まで、「宮川建設副社長」の肩書きを持っていた九地整OBのT氏がそのキーマンである。T氏は自民党港湾族の大物・泉信也参議院議員の秘書的存在とされ、九地整にもつながりを持つ。宮川建設の副社長に就任するまでは、大手マリコン「五洋建設」に勤務し、福岡県港湾建設協会の事務局長も務めていた人物である。

 九地整職員に確認したところ、昨年、T氏を九地整内で見かけたと話す。もちろん、T氏が九地整OBであることも知っているという。T氏への直接取材では「宮川の仕事やらしていない」と話しており、9年間の副社長時代は泉議員のお世話に専念していたのだというが、T氏は何の要件で九地整を訪れていたのだろう。

 九地整をめぐる工事については、入札に関する不透明さを指摘する声が少なくない。「調査基準価格」と称される最低入札価格については、直接工事費などを基に九地整側が数字を算出しており、業者側には分からない仕組みとなっている。さらに問題の工事はもちろん、多くの工事で「標準型総合評価方式」と呼ばれる入札を行っており、ここでも役人だけの数字操作がまかり通る。応札業者による工事内容を地整側が評価し、技術点をつけるのだが、その評価方法については非公開なのだ。情報公開請求によって入手した文書も黒塗りだらけである。建設業界から「評価基準が不透明」との声が上がるのは当然だろう。

 役所側は、最低入札価格と技術評価という、ふたつの武器を持っているのだ。そこに族議員や官僚OBが影響力を発揮することで、入札が歪められる可能性が生じるのである。

 同工事を通して、さらに九地整発注工事の闇に迫りたい。

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