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ハウステンボスの救世主になるか 澤田ホールディングスの澤田秀雄社長(上)
東京レポート
2009年12月21日 14:00

 大型リゾート施設、ハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市、東園基宏社長)の経営再建問題で、佐世保市から支援要請を受けた格安旅行業大手のエイチ・アイ・エス(東京都新宿区、平林朗社長)の創業者である澤田秀雄会長(58)は代表取締役に復帰して、交渉に臨む。協議がまとまれば、澤田氏がオーナー社長である投資会社、澤田ホールディングス(東京都新宿区)が買収して、HISが運営に当たることになる。澤田氏は、ハウステンボスの救世主になるか?

3社を上場させた手腕
 澤田秀雄氏は3社を株式上場させたベンチャー起業家として知られる。格安旅行業のエイチ・アイ・エス、格安航空会社のスカイマーク(東京都大田区)、そして投資会社の澤田ホールディングス(HD)の3社である。
 澤田氏は大阪市出身。大阪市立生野工業高校を卒業、西ドイツのマインツ大学に留学。ドイツを訪れる日本人旅行者向けガイドのアルバイトで稼いだ資金を元手に欧州、中東、アフリカ、南米、アジアなど50カ国以上を格安チケットで旅行したことが起業のきっかけ。
 帰国後の1980年、東京・新宿で、格安旅行券を扱うインターナショナルツアーズ(現HIS)を設立。折からの海外旅行ブームに乗り成功。95年3月店頭公開(現東証1部上場)。野村證券から“迎賓館”といわれた会長公邸を買収して自宅にする金満家ぶりを見せた。
 澤田氏が一躍、ベンチャー起業家の旗手として脚光を浴びたのは、格安運賃を売りに航空業界に新規参入したことだ。株式公開で得た資金で96年11月、スカイマークエアラインズ(現スカイマーク)を設立。2000年5月、スカイマークは東証マザーズに上場。だが、債務超過寸前に陥り、04年にインターネット関連企業のベンチャー起業家の西久保愼一氏に売却して手を引いた。そして澤田氏が軸足を置いたのが投資ビジネスである。

40歳の若手を社長に大抜擢
 澤田氏は創業事業であるHISに、筆頭株主のオーナーとして会長にとどまったが、代表権を返上し、若い世代に経営を委譲。08年4月、社長は鈴木芳夫氏から、当時40歳の平林朗氏に交代した。平林氏も澤田氏同様、フリーターの海外放浪者だった。
 平林氏は東京都出身。佼成学園高校卒業後、米国の大学に入学したが、半年足らずで中退。旅行ガイドのアルバイトをしながら米国、中南米を放浪。帰国後の93年9月、HISに入社。翌94年、インドネシア・バリ島に開設する支店を、実質的に立ち上げた。交渉に必要なインドネシア語も修得した。
 その働きが澤田会長の目に留まり、34歳で、2,000人のスタッフを抱える関東営業本部長代理に就任。関東営業本部長、関西営業本部長を歴任し、07年1月取締役に昇格。情報システム本部長を経て、08年4月に社長に大抜擢された。オーナーの澤田会長は、HISは第二の創業期に入り、新たなグローバルな成長を遂げるために人事を刷新したと説明した。

(つづく)

【日下 淳】


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