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米国で激化する電子書籍市場 新聞業界への影響は
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2010年1月20日 14:33

 以下は、昨年末の12月26日、米・アマゾン・ドット・コムが発表した1本のリリースに綴られた一文である。

 "On Christmas Day, for the First Time Ever, Customers Purchased More Kindle Books Than Physical Books"

 アマゾンが発売している電子書籍専用端末の『アマゾン・キンドル』。デジタル化された新聞記事や書籍を、パソコンを介さず通信料不要の無線インターネットでダウンロードできるもの。日本でも、2004年に一度「上陸」しているものの、不振から07年に撤退している(2010年1月現在、日本でも入手可能だが日本語には非対応)。

 冒頭のリリースは、昨年12月25日、アマゾン・ドット・コムが販売している電子書籍「キンドルブックス」の販売数が紙版の書籍販売数を上回った『歴史的な日』であった、としたもの。具体的な数字は明らかにしていないが、同リリースではキンドル本体もクリスマスプレゼントとしてアマゾン史上最高の売上を記録したとしており、アメリカ国内における電子書籍市場の周知度、ニーズの高さをうかがわせる。
 日本でも今月13日、キンドルの日本語対応版リリースを睨んで、大手出版社21社が電子書籍市場での連携を目的とした一般社団法人「日本電子書籍出版協会」を今年2月に設立することを発表するなど、にわかに動きが活発化している。

 米調査会社「フォレスター・リサーチ」が昨年10月に発表した調査結果によると、シェア約60%の『キンドル』と、シェア約35%のソニー『リーダー』が市場を二分。昨年末のクリスマス商戦で、その差はさらに開いたと思われる。この二強の構造を崩しにかかったのが、米最大手書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブル。昨年11月、電子書籍端末『ヌック』を引っさげて市場に参入した。このほかにも、韓国のサムスン電子がグーグルと提携して、今年3月に電子書籍端末『E6』、『E101』を、今年4月をメドに英ベンチャー企業のプラスチック・ロジックが『キュー』を投入する。さらに、中国や台湾メーカー、メディア企業であるタイム・ワーナー、アップルやヒューレット・パッカードも参入を表明しており、今後米国の電子書籍業界の市場拡大と競争激化は必至だ。前出の「フォレスター・リサーチ」によれば、2010年の電子書籍端末の市場規模は、昨年の倍にあたる600万台になると見通している。

 この状況について、在京新聞社の幹部は「カリフォルニア州では、今年の秋までに高校の化学と数学の教科書をデジタル化して無償提供する方針を打ち出しているし、アマゾンも今年秋までに5つの大学で電子教科書の端末閲覧実験を行なう。教科書代わりに電子書籍が使われることになれば、端末の普及拡大はもちろん、周辺市場への影響力も計り知れない。アマゾンはすでに、ニューヨークタイムズなど新聞の電子版も配信している。今後、市場の拡大に合わせて業態チェンジさえできれば、アメリカだけでなく日本の新聞業界にとっても起死回生の大チャンスになりえるはず」と語る。
 一昨年来、シカゴ・トリビューンの破綻やワシントンポストの全支局閉鎖など、日本以上に厳しい状況が続くアメリカの新聞業界。電子書籍の市場拡大が「福音」となれば、同じく低迷する日本の出版・新聞業界に与える影響も決して小さくはない。すでにNECなどが国内における電子書籍端末市場への参入を表明しており、キンドルの日本語対応版リリースの可能性を含め、今後国内でも市場の浸透と拡大が期待される。


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