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ハンズマン "逆張り"戦略が成功 効率に背を向け品揃え増やす(上)
特別取材
2010年5月22日 08:00

 デフレ不況下で(株)ハンズマンが業績を伸ばしている。2010年6月期は2期連続の増収増益を達成する。効率重視の流通企業の常識に背を向け、顧客の声を最大限取り入れ、品揃えを増やす "逆張り"戦略が奏功した。11月にはナフコのお膝元に新店を開設する。業界の同質競争と一線を画した独自の店作りで、生き残りを目指す。

幅広い客層

ハンズマン大野城店 午前7時のハンズマン大野城店。開店を待ち構えたように、10数人の客が店内に駆け込んだ。いずれも作業服姿のプロの需要家で、軽トラックにベニヤ板を運び込む人もいる。7時30分過ぎには30台以上の車が駐車した。
 午前10時を過ぎると客層は一変する。中高年男性が多いのはホームセンター(HC)共通だが、女性が目に付き、ベビーカーを押す若い主婦の姿も。目当ては1階のガーデニング売場。広大な売場の後方には、ヨーロッパから輸入した噴水やイタリア製のお洒落な陶器製の植木鉢や花瓶が置いてある。
 ハンズマンの売場は、通常のHCとだいぶ異なる。まず、建物の構造。入口を入ると1、2階が吹き抜けになっており、視界が眼の前に広がる。売場全体がブラウンを基調にしたカラーで統一され、通常のホームセンターを見慣れた眼には、違う売場に来たような感じに映る。
 上り・下りのエスカレーターがあるのも、HCでは珍しい。エスカレーターから1階全体が見渡せ、2階にあがると、劇場の舞台を見下ろすような感じになる。吹き抜けにしたり、エスカレーターを設置すると店のイメージは良いが、その分売場スペースを取られ、効率は悪くなる。
 建物の構造だけではない。じっくり見て回れば回るほど、日ごろ目にしない珍しい商品に気づく。のこぎりやかんなを多数揃えてあるのは当然だが、種類は半端でない。ボルトだけでサイズや素材別に約1,500種類あるという。ユニークなのは神棚で、天井近くに5~6種類も。その下には墓用品も並び、墓を拭くための専用タワシまであった。
 園芸用土は100gから量り売りしている。通常のHCは5㎏の袋入りでしか売っていない。マンションのベランダ用などでは大量の土が不要で、袋を置く場所にも困るのに配慮した。作業用手袋は片手1個から売ってくれる。1階レジ横には時計の電池や電気カミソリの刃を交換してくれるリペア(修理)ショップがあり、使い捨て時代にあって「商売に差し支えるのでは」とかえって心配させられる。
 店内のあちこちに「お求めの商品がなければ販売員におっしゃって下さい。可能な限り取り揃え致します」の張り紙が。こうして客の声を聞いて品揃えを増やしていった結果、同社の標準店である売場面積1万m2(店外売場を含む)の店舗で扱う品種は約18万品種に上る。同一面積のHCの約2倍という。

(つづく)

【工藤 勝広】

(株)ハンズマン

代 表:大薗 誠司
所在地:宮崎県都城市吉尾町2080
設 立:1964年12月
資本金:10億5,750万円
年 商:(09/6)207億3,900万円


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