<今後はデベロッパーと運命共同体の時代>
福岡で同様にデベロッパーに痛い目に遭ったゼネコンは、「今でもマンション業者との取引はやっていますが、企画の段階から参加させてもらっています。状況によっては仕様を変えることもあります。最終的に、自分たちが引き取っても販売できるか、所有するような案件にするためです」と語る。デベロッパーも大きな負担を強いられ、ゼネコンも同様に回収までの長期間資金が固定化され、大きなリスク背負うことになるのだから、こうしたことは当然なのかもしれない。
また、あるゼネコンはマンションの販売状況が悪いため、デベロッパーに「この販売代理業者を使ってみてはどうでしょうか」と紹介している。「売れないと資金不足は明らかですから、販売の手助けになるようなことはするのが当たり前です」と語り、ゼネコンとデベロッパーは運命共同体と考えているという。
それでは、大内田建設はどうだったか。たしかに、鹿児島の案件の販売状況は悪くて一向に進んでおらず、このままでは支払いに不祥事が生じることは明らかだった。「それなら、なぜもう少し早くからデベロッパーと協議を重ね、販売体制を強化しなかったのか不思議だ」とは前出のゼネコン。
代物弁済というかたちでマンションを引き取るという苦い経験を味わったにも関わらず、それを教訓化できなかった大内田建設。大手や財閥系以外のデベロッパーで、自己資金でマンション開発を行なっているようなところはない。それなら、ゼネコンもデベロッパーも運命共同体のはずである。「以前なら価格、価格の時代でしたが、回収できるかどうか不安があるなら、無理して受注する必要はないですよ。仕事(受注)するなら必ず企画から入らせてもらいますし、受け単価も言いなりにはできません。もちろん、暴利を取るようなことはしませんし、販売単価が合わないような受け方もしません。そのために、計画段階から参画するようにしています。それなら、受注単価によって販売代金の見当も付きますし、販売額が高いようなら付加価値を高めるか、見直すかというようなこともしています。ケースによっては、もう少し受注単価を下げればリーズナブルな物件が完成すると判断して、こちらから単価を下げることもあります。ですから、本当に共同事業なのです。金融機関を含めて」と、同じようにデベロッパーを受注先にしているゼネコン幹部は、現在の状況を語った。
販売できず、決済もできないデベロッパーの問題が当然一番だが、それを承知(可能性が高いことを理解)して受注を行なったのか、最悪のケースのときにどうやって乗り切るのか、引き取るのか、販売ルートを変えるのか―ゼネコンはそうしたケースも想定して取り組まなければ、今後も同社の二の舞になりかねない。今までのように、「販売するのはデベロッパー。造るのはゼネコン」という時代は終わったのである。お互いが理解して相互協力で取り組まなければ、地場デベロッパー、地場ゼネコンという灯は途絶えてしまう。
【石崎 浩一郎】
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