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仲盛昭二氏の一級建築士免許取消処分事件(9)~被告に対する再質疑事項
企業・経済
2010年7月 7日 08:00

8.被告に対する再質疑事項(その1)

 再現設計における各種設定条件について、質問をしたい。説得力のある明確な回答を要求します。

(1)水平荷重時における加力方向について

水平荷重時における加力方向について

 設計当時においては、上図タイプⅠの地震荷重の入力方法が一般的でした。今回(物件番号18 番)のこの物件(・・・・・・西新)についても、当然タイプⅠの計算方法で処理していました。建築確認申請においても、勿論、この方法で建築確認されていたし、何の問題点も指摘も受けていません。行政においても、この方法が一般的であったと思われます。

 しかし、計算機及びプログラムの解析等の飛躍的な進歩により、現在ではタイプⅢの設計方式を採用する様になり、これが実情です。被告提出の「再現計算書」は、タイプⅢに導く様に、異なったファクタ-(要素)を計算条件に新たに、故意に設定され直しています。(私の立場から見ると行政による偽装工作といわざるを得ません)

 私が、国及び行政に「再現計算書」についての質疑を出した時の行政側の主張回答を下記に示します。

 行政は、一字一句までも原本に忠実に入力デ-タを再現しただけで、再現検証者の主観・思想等は1%も入っていません。純粋に再現したまでです。
と、得意気に答えられています。本物件の設計当時の計算書は、水平荷重時の加力方向は正加力(タイプⅠによる左加力)となっており、正加力のみでの検討が一般的でした。この事は、行政、及び建築確認行政の総責任者であった国も、十分認知していたはずです。しかし、被告の再現設計においては、原告の設定条件を故意に改ざんしたタイプIIIの両加力(左加力+右加力)が採用されています。当然のことながら正加力のみの場合と異なる結果が導き出されています。言い換えるならば、行政が、全く異なる構造計算書を捏造、作成したと言わざるを得ません。

 計算結果はともかくとして、何故、行政が、この様な「ねつ造」「偽造」を行なったのか、理解に苦しみます。

(2)応力解析における解析方法について

 本物件の設計当時の計算書における応力解析方法は「疑似立体解析」でした。しかし、被告の再現設計においては「立体解析」が採用されています。何故、被告が設計当時と異なる応力解析方法を選択したのか、これも又、理解に苦しみます。「加力方向」にしても「応力解析方法」にしても、プログラムにおいて選択・設定は容易なことです。
※設計当時の構造計算プログラム・・・・・SS1
  再現設計に用いられたプログラム・・・・SS2(SS1 のバージョンアップ)
プログラムがSS1からSS2に変わっても、上記の計算条件は指定可能です。

 「再現設計」は、可能な限り、設計当時の計算設定条件に近い形で行うべきです。前記の様に、これらの条件は選択が可能なのです。何故、わざわざ設計当時と異なる計算条件を採用したのか、明確な理由を回答頂きたいと思います。明確な理由がなければ、被告は、入口が違っているのに、その欺瞞に満ちた結果を以って原告の建築士免許を剥奪した事になります。(人権侵害も甚だしいことです)

 本物件の被告側の再現設計において、このような誤り(捏造)があったという事は、懲戒処分自体がその根拠を完全に失うことになります。さらに、他の19物件についても同種の誤りがある可能性が極めて高く、被告が、処分の算出根拠とした、4ランク+1ランク×19件=23ランクが全く成立しなくなります。被告は、自らの責任回避を目的として、「初めに処分ありき」で、間違った再現設計を行なったのでしょうか?

 原告の質問に対して、被告は、おそらく、「設計当時の計算条件で再度、再現設計を行う」と回答することが予想されますが、処分を行った後の再現設計には何の意味もありません。被告は、原告への行政処分を判断する根拠とした、設計当時に忠実な再現設計の計算書のコピーを提出する以外、処分の正当性を主張することは不可能なのです。

 一人の人間の人権を長期間にわたって弄ぶ、被告の不当な懲戒処分は、誠に失当であると断じざるを得ません。

 前述した(1)加力方向の問題、(2)応力解析方法の問題について、一般的に比較してみると、計算結果として、約10%~15%程度の誤差が、必然的に発生している事を付け加えておきます。

(3)残りの19物件について

 残りの19件の物件全てについても、同じ質問ですので、被告側の図面提出と、法的かつ合理的な回答を求めます。

(了)

【編集:大根田康介】

▼関連リンク
協同組合 建築構造調査機構


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