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豪雨の爪痕、杉・檜材の出荷に影響も~集荷難に悩む木材市場
住宅・不動産
2010年7月21日 11:28

 博多の街では昔から『山笠が過ぎれば梅雨明けたい!』と言われる。
 その言葉通り、15日未明の追い山スタート時にはかなり強い雨が降っていたにもかかわらず、午後にはすっかり晴れ渡り、一気に梅雨明け宣言が出た。
 しかしながら、その前日(14日)から続いた豪雨は日本各地に大きな爪痕を残した。広島、島根、山口等の中国地方各県や岐阜県、長野県では死者が出るほど痛ましい被害が続いた。平時は幅10m位の穏やかな川が一瞬にして川幅が100mを越す激流に急変した。そして、この豪雨が、木材市場に深刻な影響を及ぼしているのである。

 昨今の木材市場の動向から説明しよう。昨年後半から、北欧材や米材がジリジリと値を上げ、それにつれ杉材や檜材の国産丸太の値上がりも続いた。そして、年初からほぼ30%程度値上がりしたところで梅雨を迎えた。住宅工事がひと休みし、5月以降のアメリカにおける住宅着工が予想以上に減少した。欧州ではギリシャの金融危機がスペイン、ポルトガル、イタリアの南欧諸国に飛び火するのではないかと懸念され、一気にユーロが対円で値下がりし始めた。国際相場を釣り上げてきた中国の不動産市場もバブル崩壊を恐れた政府の金融引き締めで輸入意欲が弱まり始め、次第に外材市況も緩み始めたところ。日本においても入梅で内地材の値上がりに一服感が出てきたところだった。

 一方で、日本は相変わらずデフレ脱却が進まず、昨年の地価も値下がりを続け、値ごろ感が出始めたところに政府の内需喚起策としての住宅エコポイント制度や住宅建設への相続税の減免策が強化された。これまで500万円まで無税だったものが、今年の12月末までの着工物件については一気に1,500万円まで無税となるのである。すでに今年7月も20日を過ぎようとしている。住宅メーカーは、受注契約促進に拍車を掛け、購入を計画しようとしている顧客の囲い込みに躍起である。
 ところが、この勢いで行くと、折角契約しても年内着工が難しくなってくる可能性が出てきた。今回の豪雨で、林道もずたずたになり出材が困難になっているのだ。各地の製材所も丸太の手当ができず工場が停まり掛けているところが続出。木材市場は、製品の集荷がままならず焦っている。今後、欧米の景気回復如何だが住宅会社も施工能力の強化を図ろうとしているが、うち続く不況、特に昨年の新設住宅着工戸数が対前年比で約29%も激減したことから各職種の技能工が離散してしまい職方の確保についても頭を抱えている。折角契約しても年末までに着工できなくなる物件も出てくる可能性があり、補償問題に発展する可能性もあるであろう。
 現に各地のプレカット工場も既に生産キャパシティ一杯の受注を抱えているところが多い。こうして先高感が出てくると住宅メーカーも材の確保だけでなく値決めも急がねばならない。
プレカット工場も昨年までの悪い時期でもコンスタントに購入してくれた住宅会社に優先的に供給していこうとしているが、それでも拝み倒して言い値で丸太や製品の手当をせざるを得ず、需要が増えても収益に結びつかないのが現状である。

【徳島 盛】

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