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コダマの核心

【連載11】肥後銀行=長野常任顧問の横暴さには挫けない ~「小説・火ノ国銀行」の元原稿公開
コダマの核心
2010年8月29日 08:00

真実は小説より奇なるか 銀行のあるべき姿とは
記者所感~『火ノ国銀行』主人公のモデルと会って(1)

小説『火ノ国銀行』 小説『火ノ国銀行』のモデル、宮本仁之会長へのインタビューは強烈な印象を残した。「小説」と銘打ってあるにもかかわらず、その多くは真実なのだという。にわかには信じられないことだった。小説に書かれていることが真実であるならば、実にけしからん話である。銀行の基本理念と明らかに乖離(かいり)した行動をトップ自らがとっているのだ。銀行か、宮本氏か、いずれかが偽りを述べていないと話のつじつまが合わないことになる。ここまでの所感を述べる。

銀行と企業の関係とは

 『火ノ国銀行』を読んだ。あまりにも突飛な話であったため、率直な感想としてこんなことは現実ではありえない、小説の原案はあるのかも知れないが相当な脚色が加わっているものだと思った。
 銀行を私物化する常任顧問。彼の感情ひとつで、宮本社長の「誠ハウス」が倒産に追い込まれた。行員たちも宮本社長に同情的ではあるが、常任顧問の豪腕ぶりに恐れをなし、思ったことが言えない。宮本社長は倒産させられたことよりも、銀行は地域の中小企業を育てる存在でなくてはならないという思いから常任顧問に一矢報いる策を巡らせる、という話である。
 まるで、昭和のドラマ「おしん」を思わせるような銀行による陰湿ないじめ、そして感情のもつれかほかの策か、倒産までさせられるという悲劇的な展開。まさに「小説」である。どちらかというと、現実離れしすぎているような感すらある。
 けれども、事情を知る人たちは、これは小説ではないと言うのだ。それぞれの登場人物にはモデルがいて、事実としてこの倒産劇があったと。本当だろうか。半信半疑のまま、主人公である「誠ハウスの宮本社長」のモデルとされる㈱大誠ホームの宮本仁之会長に話をうかがった。
 宮本会長は穏やかに、けれども力強く『火ノ国銀行』の出版にまつわる話、民事再生法申請にいたる経緯、銀行への思いを語ってくださった。話をうかがうにつれ、再び驚かされた。小説に記載されていたことのほとんどが、少なくとも宮本会長にとっては真実だったのである。銀行とのやりとりを詳細に記録した手記も渡された。返済の実績を示す資料までも開示してくれた。
 今後、取材を深めていくことになろうと思うが、現段階での思いはシンプルである。これが真実であるとは信じたくない。銀行は必ずしも中小企業の味方とは限らないが、それでも人と人の間で行なわれる事業である。ただ、冷静に事業リスクだけを計算してお金を動かすべき存在ではないと思う。
 『火ノ国銀行』の場合、銀行は少なくとも一時期は「誠ハウス」から恩恵を受けた時期もあったのではないか。業績が上向きのときは擦り寄って、下降したと見切るや足蹴にする。これが真実ならば、人としていかがなものだろうか。

(つづく)

銀行と弊社の出来事011

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