<課題>
しかし、思わぬところで新しい課題が出てきました。それは環境汚染の問題です。
製造技術の関係で、エコ・ライトのなかに水銀が使われているのです。1個あたり5ミリグラムの水銀が含まれているといいます。もし、水銀が地下水にしみ込めば、水汚染を引き起こすでしょう。
では、5ミリグラムとはどのぐらいの量なのでしょうか? 通常、体温計1本には500ミリグラムの水銀が使われています。すなわち、エコ・ライト100個に含まれる水銀が、1本の体温計に相当するのです。
化学専門家によると、1ミリグラムの水銀は360トンの水を汚染するといいます。エコ・ライト1個だけで、1,800トンの水が汚染される可能性があると指摘されているのです。
また、水銀は沸点が低く、常温下でも蒸発するので、もしエコ・ライトが破損すれば、すぐに周辺の空気に含まれる水銀の濃度が基準値の百倍以上になりうるのです。一旦気化した水銀を人が吸い込むと、その中枢神経系統が破壊されます。吸引量が2.5グラムを超えた場合には、死に至る可能性が非常に高くなるそうです。
当然、炭鉱業や化学工業と比べれば、エコ・ライトに含まれる有害物質は僅かなものですが、その膨大な数から考えれば、無視できない状態にあります。
しかし、今まで国内で廃棄されてきたエコ・ライトに関する専門の回収システムは、いまだに確立されていない状態です。
メーカーにとって、回収処理の設備投資は莫大です。政府からの支援もないので、一般のメーカーはそこまで手が回らないのです。現在、回収処理の装置を持っているのは3社だけのようです。
また、エコ・ライトは近年の市場を席巻しているニュー・コンセプトであるため、国の政策レベルでは特殊な廃棄物として指定されていません。
今年の大規模な使用促進に伴い、それなりの回収システムを早期に確立させるよう、専門家は政府に呼びかけています。
(1) 住宅団地ごとに「居民委員会」を通して、専門の回収スポットを設立する。
(2) 廃棄エコ・ライトの回収をメーカーに義務づけ、政府による補助のもと、専門の処理センターを設け、集中処理する。
(3) 民間企業がエコ・ライトの回収・処理事業に参入できるよう、政府が優遇策を策定する。
自然と調和の取れる社会に向けての第一歩として、使用が促進されているエコ・ライトです。これに続く、第二歩を期待しています。
【劉 剛(りゅう ごう)氏 略歴】
1973年12月生まれ。中国上海出身。上海の大学を経て、96年に地元の人材派遣会社に入社。10年3月より福岡に常駐。趣味は読書。
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