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城南区で「ペシャワール会」現地代表・中村哲氏が講演
社会
2010年10月29日 16:15

「ペシャワール会」現地代表・中村哲氏 28日、福岡市城南区市民センターで、城南区が主催する市民向け講座「城南市民カレッジ」が開催された。
今回は、NGO団体「ペシャワール会」(※)現地代表で福岡出身の医師中村哲氏を講師に招き、自身の活動を振り返る「アフガンに命の水を~国際協力の26年~」をテーマに講演が行なわれた。

 中村氏の現地での活動は、テレビの特集や写真などが用いられて紹介された。ペシャワール会では、中村氏のほかにも日本人の医療関係者や、現地の人たちを合わせると約700人が働いているという。現在は、アフガニスタンの東部にあるジャララバードで水路造りの事業に取り組んでいる。

 中村氏が行なった最初の医療活動は、1984年、パキスタンとアフガニスタンの国境地であるペシャワールでのハンセン病治療だった。その後、79年からのアフガン戦争でアフガニスタンは多くの死者・難民を出した。その難民が、中村氏がハンセン病治療を行なうペシャワールに数多く移ってきた。その難民たちの間では、マラリアなどの感染症が広がり、幼い子どもも含めて多くの人が亡くなっていった。その惨状を目の当たりにしたことがきっかけで中村氏は、幅広い感染症の治療を行なうようになった。しかし、飢えや渇きは医療では補えない。「食料も大事だが水の確保が最優先」と考え、飲用および農業用水を確保するための水路造り事業にも取りかかったという。

 講演終了後、聴講者から「このような支援をしようと思う気持ちが、どこから湧いてくるのか」という質問があった。中村氏は、「私は、このような活動をすることでしか生きていけなかった。真下飛泉・作詞、三善和気・作曲の『戦友』という歌があるが、そのなかで『しっかりせよと抱き起こし』というフレーズがある。そのような気持ちで、目の前で倒れている人がいると、しっかりせよと言い抱き起こすような気持ちで助けている」と答えた。
 また、「国からの補助金などはもらっているのか」という質問には、「補助金をもらっての活動には、ひとつひとつの活動を書類で報告しなければならなくなる。それでは、事務作業に時間を費やし、活動の時間を削らないといけない。非現実的な事務作業に、時間は割いていられない」と、説明した。国とNGOの関わり合いには見直すべき点があるようだ。質問は、講演会終了の時間ギリギリまで行なわれ、中村氏の活動に対する関心の高さがうかがえた。
 講演を聞いた70代の男性は、「もともと自分もアフガニスタンに行ったことがあり、あの砂漠地でどのようにして水路を通したのか聞きたくて講演に参加した。」と、感想を述べた。

(※ NGO団体。パキスタンのペシャワールで医療活動を行なう中村氏を支えるため、1983年に結成。98年には、恒久的な基地病院としてPMS(ペシャワール会医療サービス)病院をペシャワールに建設。01年10月に「アフガンいのちの基金」を設立し、アフガニスタン国内避難民への緊急食糧配給を実施。10年2月には、アフガニスタン東部で灌漑用水路建設、完成させた。)

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