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政界インサイドレポート

民主党分裂、岐路に立つ日本政治(3)~政界インサイド・スペシャル
政界インサイドレポート
2010年12月15日 08:00

<「政策実行力ゼロ」の政権とその理由>

 なぜ、民主党は政権交代からわずか1年あまりで国民の信頼を失い、ここまで無残な状況に陥ったのか。
 理由は明白だ。
民主党 民主党の政治家の大半はこれまで政権を担った経験がなく、菅首相にしても、橋本内閣の連立与党の一員として厚生大臣を務めたにすぎない。ひとつの役所の大臣と首相官邸で国の舵取りと安全保障を担う事とは次元が違う。政権を維持して政策(マニフェスト)を実行するには、党内が結束して取り組むことが最低条件のはずだった。
 しかし、いったん権力を握ると、この党の政治家たちは例によって醜い内紛を始めた。その典型が菅内閣の掲げた「脱小沢」という排除の論理だ。菅-仙谷ラインは閣僚と党執行部を反小沢派の議員で固め、小沢派、鳩山派など反対勢力を干しあげた。菅首相と仙谷官房長官が鮮やかな手腕を発揮して政権を切り盛りできるならそれでもいい。が、現実は、尖閣問題でも当事者能力がないことを露呈した。
 ただでさえ参院選の大敗で過半数を持たない菅政権が、さらに党内の半分を敵に回して何かを実行できるはずがないのだ。

 そのしわ寄せは政策面に顕著に表れた。子ども手当や高速無料化、税制改正からTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)まで、菅内閣は党内の足並みの乱れで一貫した方針を打ち立てることができず、先送りとその場しのぎに終始している。内政も外交でも、国民に明確な指針を示すことができない。挙げ句の果ては、菅-仙谷側は「うまくいかないのは小沢派が足を引っ張るからだ」と責任を押しつけ、小沢派はそれに反発して両派が反目するという低次元の泥仕合を見せつけられた。破れかぶれになった菅政権はついに「小沢派切り捨て」に動き、参院選前、代表戦後につづく3度目の支持率V字回復に望みをつないでいる。
 現実の国民の見る目は過酷だ。もはやそんなパフォーマンスでは支持は回復できない。国民は「政策実行力ゼロ」の菅政権に愛想を尽かしたのだ。

(つづく)
【千早 正成】


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