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全国平均を下回る福岡県の就職内定率、求人と求職のミスマッチ
社会
2011年1月28日 12:00

 福岡労働局が1月25日に発表した、2011年3月新規学校卒業者のうち大学卒業者の就職内定率は52.1%だった(10年12月末現在)。全国平均68.8%を大きく下回っており、地方における就職状況の厳しさがうかがえる。ちなみに、求人数は15万3,370人(前年比▲25.3%)、求職者数は1万5,843人(同▲4.6%)、内定届出者数は8,251人だった。

 内定率だけを見れば、"超"就職氷河期とも言える状況だが、実は求人側と求職者側のミスマッチもみてとれる。不景気になればなるほど、とくに新卒者は安定した大企業志向が強くなり、一方で地場の中小企業は就業条件が厳しくなっていく。リクルートワークス研究所が10年4 月に発表した、11年3月の大学卒業予定者を対象とした調査によれば、従業員5,000人以上の大企業では求人倍率が0.47倍だったのに対し、300人未満の中小企業では4.41倍。大企業では2人の学生に対する求人が1社に満たない一方で、中小企業では1人に対して求人が4社以上もある計算となる。

 昨年末から次世代型求人・求職サイト「えんむすび.com」を新しく立ち上げた(株)えんむすびドットコムの田中良三社長は、この状況について次のように語る。「とくに既存の求人・求職サイトは、まず求人企業の出稿費用が高く、中小企業が継続的に応募をかけるのは難しいというのがあります。さらに求職情報も、大手の条件にはマッチしても中小の条件ではマッチしないということもあります。求職者側も、既存のサイトでは文字だけの自己PRとなり、自分のことが企業に伝わりにくく、また中小ともなればどんなことをしている企業なのか情報を得にくいという問題がありました。これを解決するために、システムを1から組み動画によるPRなどを加えた、個人と企業のマルチプル化を実現したのが『えんむすび.com』の特徴です」。

 同社の取り組みはテレビでも注目され、1月29日(土)朝9時からTVQ九州放送「九州けいざいNOW」のシリーズ特集「就職氷河期の真実Part1 採用枠が埋まらない!?」で、大学への講義の様子やアジアビッグマーケットへの出展の模様などが放送される予定である。

【大根田 康介】

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