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投資市場としての福岡の魅力は どこに成長の活路を見出すか~J-REIT業界 (中)
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2011年2月15日 07:00

<09年11月末に底を打ったか>

 08年10月9日、ニューシティ・レジデンス投資法人(以下、NCR)が倒産した。その直前に起こったリーマン・ショックの影響を大きく受けたかたちだったが、J-REIT初ということもあり、市場は大荒れした。翌10日にはJ-REIT市場の時価総額が過去最高となる11.99%の下げ幅を記録するなど、暗い影をおとした。
 当時、福岡市内にポートフォリオを有するJ-REITの実態を調査したことがある(『I・B』08年11月3日号)。それから2年以上が経った今、改めて不動産投資環境の現状について、ポートフォリオのNOI動向を1つの指標として見てみたい。
写真は会員制情報誌「IB」に掲載した福岡のポートフォリオデータ まず、総体としてNOIは微減していると言ってよいだろう。たとえば、稼ぎ頭のキャナルシティは、08年8月期時点ではビジネスセンターも含めてNOIは13億9,800万円あったが、10年8月期には12億8,700万円となっている。レジデンス系もNOIが2年前と比べて増えているところは少ない。イオン香椎浜ショッピングセンターは08年8月期の3億1,000万円から10年8月期には4億1,000万円に伸ばしているが、数少ない例の1つである。
 福岡市場に見切りをつけてさっさと撤退したのが、ケネディクス不動産だ。07年末時点で6棟有していたが、リーマン・ショックの予兆を感じ取っていたのか、08年上半期に利益を出しながら4棟をきれいに売り抜けている。「KDX博多ビル」は難航したのか、09年4月22日に久留米の福岡スタンダード石油へ損切りで売却した。
 残る1棟「KDX博多南ビル」もいずれは売却し、福岡から完全撤退すると予測するのが自然だろう。ライバルだったダヴィンチ・ホールディングスとは違い、手堅い同社ならではの戦術である。
 07年ころに沸き起こった不動産バブルが08年下半期から09年にかけて崩壊し、投資法人の資産運用会社であるクリード、ジョイント・コーポレーション、リプラスなどが相次いで力尽きた。そのなかで、ここ2年間で投資法人の顔ぶれも大きく様変わりした。もっとも印象的なのは、リートの合併が進んだこと、および大和ハウス工業と積水ハウスという2大ハウスメーカーが参入したことだ。
 10年に入って東証REIT指数(2003年3月末=1,000)が急回復(11年2月4日終値は1,107.27)し、814.88をつけた09年11月27日が底だったという見方が広がった。その回復材料として上記の2点が考えられている。たしかにNOIはピークだった08年上半期時点よりは軒並み減少しているが、底と見られる09年後半から10年初頭と比べて、10年半ばに向かっておおむねNOIは増収しており回復基調にある。

(つづく)

【大根田 康介】


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