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【再掲載】九電川内原発7人プラスα死傷事故~徹底解明と3号機増設論議は不可分(中)
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2011年3月19日 07:00
 東北地方太平洋沖地震の発生に伴う一連の原発事故への国や東京電力の対応が問題視されていることをふまえ、【2010年3月23日】から恩田勝亘氏が寄稿した原子力発電所関連の記事を再び掲載いたします。

<7人以外の被災者の可能性>
 事故はその定検の真っ只中での発生だったが、配電設備の保守・点検はこの日が初日。事故発生は午前7時過ぎだが、作業そのものは午前6時台から着手されていた。原発の稼働率を上げるためには定検を早く終了させねばならず、そのためには早朝や徹夜をも厭わず作業を消化していくからだ。

 報告された事故による被災者7人の内訳は、九電社員4人と協力企業の西日本プラント工業(株)社員1人、西日本技術開発(株)社員2人。協力企業はいずれも九電とは資本関係も含めて親密な関係にある。事故当時、配電室にいた作業員についての本誌の問い合わせに、九電は当初、「7人以外にも2~3人」(広報部)と曖昧な返答。「作業の責任を負うべき『電気主任技術者』の有資格者はどの社員か」という単純な質問にも、返答はなかなか返ってこなかった。

 事故の全体像が見えないところで出てきたのが、先の報告書である。そこで判明したのは、事故当時に配電室には14人もいたことだ。これについて九電に質すと、死傷した7人以外に数mから10数m離れたところで別の7人が関連作業に従事していたという。事故後、同社が公開した配電室の受電盤を見るとかなり焼け焦げているが、噴出したアークガスの温度については「数千度」(広報部)というから、瞬時に超高熱による火災が起きたことがうかがえる。

 問題はその結果だ。先に述べたように、事故に遭遇したのは総勢14人。九電はそのうち被災したのは7人とし、警察が認定しているのも7人だ。しかし、九電や安全・保安院によるメディア向けのプレスリリースではわからないが、原子力安全委員会に提出された詳細資料による14人の位置関係から見れば、先の7人以外の被災者がいてもおかしくはない。何しろ、超高熱アークガスとそれによる火災である。実際に取材を行なったところ、先の7人以外にも顔を腫らした姿を第三者に目撃された作業員がいたという。初期消火には現場にいた作業員が当たったというからそのときに熱傷した可能性もあるが、彼らは「軽傷」には当たらないのか。

(つづく)


恩田 勝亘【おんだ・かつのぶ】
1943年生まれ。67年より女性誌や雑誌のライター。71年より『週刊現代』記者として長年スクープを連発。2007年からはフリーに転じ、政治・経済・社会問題とテーマは幅広い。チェルノブイリ原子力発電所現地特派員レポートなどで健筆を振るっている。著書に『東京電力・帝国の暗黒』(七つ森書館)、『原発に子孫の命は売れない―舛倉隆と棚塩原発反対同盟23年の闘い』(七つ森書館)、『仏教の格言』(KKベストセラーズ)、『日本に君臨するもの』(主婦の友社―共著)など。


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