医療法人樹啓会(シティデンタルクリニック)をめぐる複数の裁判で、元同会相談役財務部長で(株)アーネスト・フジエ代表だった中本春起氏と、同会の矢野匡理事長が袂を分かったのは、関係者によればどうやら金銭に絡む問題のようである。
「2人は仲良く経営しているように見えた」と当時を知る人物は語る。矢野氏は経営者というよりは技術畑で10数年、インプラント技術に磨きをかけてきた。日本に近代インプラントが入ってきたとき、5人の研究メンバーの1人に故・小室樹(コムロタツル)という歯科医がおり、その小室氏に従事して歯科医としての基礎を教わった。
その技術力を生かした経営をしようとしたのが中本氏だった。氏はアーネスト・フジエでタッチパネル式街頭端末・不動産管理システム「Search Eye(サーチアイ)」でメディアに注目された体験をもとに、各種広告を活用してシティデンタルクリニックの知名度を上げようとした。
もともと県内に3つの系列医院を順次開業し、新規開業や設備投資を続けるための銀行融資などによる資金調達を考えていた矢野氏は、中本氏の資金調達力を信用して経理・財務部分を任せていた。
当初は銀行融資が受けることができたため、中本氏を理事と迎え、月次報告もなされていた。「財務部分は私に任せて、理事長は医療に専念してほしい」という言葉を矢野氏は信じていた。
ところが1年ほど経ち、突如銀行融資が受けられなくなり、借入・リース債務の返済ができないという経営状態を矢野氏が把握することになる。
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