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九州から興す!日本経済

絆と奉仕で原点回帰を目指す~ライオンズクラブ337-A地区・井上勉氏(1)
九州から興す!日本経済
2011年5月13日 13:00

ライオンズクラブ337-A地区 次期ガバナー 井上 勉 氏

 3月11日、東日本に未曾有の大震災が発生した。これを機に、民間レベルでも全国で復興支援が積極的になされた。長い歴史を誇るボランティア団体のひとつであるライオンズクラブでは、震災発生の翌日には街頭に立ち、誰よりも早く募金活動を行なったという。今年7月よりライオンズクラブ337-A地区(福岡全県エリア)のガバナーに就任する井上勉氏。同氏はクラブの活動に新風を入れる必要性を考え、若手の育成に力を入れたいという。貧しかった生い立ちをものともせずに独立、強い奉仕の精神から地域貢献を志しライオンズクラブに入会、ガバナーにまで登りつめた。井上氏にクラブのあり方や、来年福岡で行なわれるアジアフォーラムへの意気込みを聞いた。

(聞き手:弊社代表 児玉 直)

<心のつながりを大切にしたい>

 ―7月から、ライオンズクラブ337-A地区ガバナーへの就任、おめでとうございます。福岡県下に数あるクラブをまとめるガバナーとして、クラブに何を残されますか。

ライオンズクラブ337-A地区 次期ガバナー 井上 勉 氏 井上 ありがとうございます。何を残すか―非常に難しい質問ですね(笑)。
 私はガバナー提言として、「絆と奉仕」という言葉を挙げさせていただきました。ライオンズクラブは基本的に人とのつながりによって成り立っています。心のつながりを見つめ直して、より強い力を発揮できるようになればと思い、「絆」という言葉を選びました。「奉仕」というのは、文字通りの意味です。地域、社会に奉仕するためのクラブですから、改めて書くこともないと思われるかもしれないですね。それをあえて提示したというのには、わけがあります。

 ―「絆」、「奉仕」。クラブの基本に立ち返るということですか。

 井上 はい。奉仕する理念は、これまでずっと貫かれてきてはいるのですが、活動のなかには時代にそぐわないことも含まれているように感じていました。戦後の1952年から、日本で活動がなされてきましたが、当時必要だったボランティアと、今必要とされているボランティアでは内容に大きく違いがあります。そこをもう一度検討し直して、必要なことを考える時期にきていると思います。
 地域・社会の発展に寄与することが何よりも大切ですから、そのためには活動拠点である各地域クラブが活性化するように、方向付けをしていきたいと考えています。

 ―337-A地区には4,500名からなる会員がいらっしゃいますね。その方々は、それぞれ20名前後から150名近い会員からなる各地域のクラブに属していらっしゃいます。それぞれの地域をより良くできたら、結果として337-A―つまり福岡県がよくなる、ということですね。

 井上 そうです。ガバナーという立場は、それぞれのクラブの統括ですから、地域ごとにより効果的に奉仕活動ができるようになったら、と思います。そのために重要となるのが、「リジョン・チェアパーソン(RC)」と「ゾーン・チェアパーソン(ZC)」、「地区委員会」の活躍です。

 ―地域のクラブのまとめ役ですね。

 井上 はい。地域においてはRCとZCが、クラブにおいては3役が、ライオンズクラブの基礎教育を入会された段階で行なう必要性を痛感しています。組織が硬直化してくると、「昨年度もやったから今年も」とマンネリ化した惰性的な活動になりがちになります。それでは、新しい考え方や若い会員の意欲の芽を摘んでしまいかねません。惰性からの脱却を進めることには、まとめ役として力を入れたいところです。

 ―どのクラブも高齢化が進んでいます。この問題については、いかがお考えでしょうか。

 井上 40代、50代のやる気がある会員さんたちが入ってこなくなっている現状と、入ってもすぐに辞めてしまうという問題とがあると思います。前者はクラブの高齢化に原因があると思います。クラブに入るためには会員からの招請が必要ですが、どうしても同年代の人に呼びかけをしてしまうんですよね。すると、高齢者ばかりが増えることになり、クラブ活性化に問題が出てくることが予想できます。

 ―もう一つの問題、若い方が辞めてしまうというのは、どういうことでしょうか。

 井上 これは、私がガバナー提言に掲げた「絆」の問題です。奉仕活動に情熱を持って入会された会員であっても、意見やアイデアが活かされず、活動の場所が狭くなってしまえば、意欲をなくしてしまうことがあります。これは制度的な問題だけではなく、人的関係の問題も考えられます。絆を深めることは、組織にとって非常に重要ですね。
 私は、組織を発展させていくためには、トップダウンとともにボトムアップも積極的に取り入れていくべきだと思います。そして、人とのつながりを強くしていくことですね。ビジネスでも同じだと思いますが、人との「絆」を大事にしていけば、大きくくじけることはないのではないでしょうか。

(つづく)

【文・構成:柳 茂嘉】

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<プロフィール>
井上 勉 氏井上 勉(いのうえ・つとむ)
 1939年11月、岡山県生まれ。貧しい幼少期を経てサラリーマンになり27歳で独立。西部化成㈱を設立する。40歳を超えてライオンズクラブに入会。リジョン・チェアパーソン、ゾーン・チェアパーソン、地区委員長などを歴任し、今年7月から337-A地区ガバナーに就任予定。趣味は旅行。


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