「医療とスポーツの融合と調和」を目指し開設された「快適倶楽部リフレ」（北九州市若松区二島）。医師とトレーナーが連携して指導する同クラブは地元住民から絶大な支持を受け、会員数は1,300名を超える。朝のオープン直後から利用者が途絶えることがない同クラブの、さまざまな取り組みにスポットをあてる。

＜理想のスポーツクラブへの共鳴＞

　北九州市若松区二島、JR二島駅のほど近くに、客の出入りが絶えないスポーツクラブがある。それが、（株）メディカルスポーツライフ研究所の運営する「快適倶楽部リフレ」だ。同クラブは、2005年８月に設立された医療機関を併設したスポーツ施設である。設立の背景には、同社代表取締役の新庄信英氏と専務取締役である加藤寧氏との間に共有された１つの理想があったという。

　整形外科医である新庄氏は、医院を経営しながら大学でも教鞭をとるスポーツ医学のエキスパート。他方で、加藤氏は30年にわたり施設管理やトレーナーとしてスポーツクラブの運営に関わってきた経験を持つ。
　かつてスポーツクラブといえば、若い女性会員が多く、ある意味で高い「ファッション性」が求められがちな業界であったという。高齢化社会への移行にともない、健康の維持・増進を標榜して医療機関と提携する施設が増えてきたものの、多くのスポーツクラブでは医療の知識を持つ人材の育成が追いつかず、逆に医療機関側が設ける運動施設では十分なスペースが確保されていないといった難点を抱えていた。

　言うまでもなく、高度高齢化社会では医療とスポーツの連携がますます重要になってくる。財政逼迫の折でもあり、今は手厚い高齢者福祉が将来的に見直される可能性も高い。運動によって病気を治すこと、運動によって病気をしない体を作ること、そしてサポートする体制を充実させること―運動処方の重要性を認識していた２人は、スポーツクラブ側と医療機関側の難点を補完する理想のスポーツクラブに思いを馳せ、これを実現させるべく同クラブを発足させた。

　医療とスポーツの融合が単なるお題目ではないことは、同クラブの入会に際して行なわれる検査を見れば一目でわかるだろう。体型データや既往症のチェックのほか、医療資格保持者にしか許されない血液検査（「医療行為」にあたる）が項目に含まれているのだ。当然、その結果如何で提供される運動プログラムは変化し、医療と運動を連動させた各人に応じたプログラムで健康増進が図られることになる。しかも、検査で異常値が出た会員の場合、医師から詳細な運動プログラムが提供されるだけではなく、毎月の会費が医療費控除の対象となる。同クラブでの運動が余暇の活用にとどまらず、公的にも「医療行為」として位置づけられている証といえよう。医療とスポーツを融合させる取り組みは他のスポーツクラブでも導入されているが、ここまで徹底された施設は県下では例がない。

　また、健康を維持し続けてもらうためには、会員を長期的にケアしていかなければならないが、会員の定着率の向上は各クラブに共通する悩みである。顧客満足度を高めるため、スタッフには挨拶をはじめとする基本的所作が徹底的に指導されている。医療的な要素を強みとしながらも、そこには病院で遭遇するような素っ気無い対応は微塵も見られない。スタッフによる頻繁な声がけによって会員の体調を細かく把握し、しかも入会後も定期的に血液検査を実施することで、メディカルとメンタルの両面から最適な運動環境を提供できる体制が整えられている。加えて、スポーツクラブと同じ屋内には医院と薬局も併設されており、新庄氏が経営する整形外科医院も程近い場所にある。会員にしてみれば心強いことこのうえなく、こういった安心感を背景に会員の定着率も上昇していった。

【田口　芳州】

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COMPANY INFORMATION
快適倶楽部リフレ
（（株）メディカルスポーツライフ研究所）
代　表：新庄　信英
所在地：北九州市若松区二島2-2-24
設　立：2005年８月
資本金：1,000万円
ＵＲＬ：http://www.re-fre.jp/
ＴＥＬ：093-791-3370

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