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迷走する九州電力、『ピエロ』を演じる眞部社長~松尾会長の権謀術数
社会
2011年7月28日 12:03

 九州電力(株)は27日午前、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働をめぐる「やらせメール」問題について討議する取締役会を福岡市の本社で開催した。
 この日の取締役会で眞部利應社長(66)は辞任時期を明らかにすると見られていたが欠席。眞部社長は取締役会議長の松尾新吾会長に「辞任届」を事前に提出していたことを明らかにしたが、松尾会長の判断で受理せず取り扱いを保留。結局眞部社長の進退問題は取締役会に諮られなかったという。

 取締役会では、役員の処分や役員の報酬カットなどの社内処分について、元検事の郷原信郎・名城大教授が委員長を務める第三者委員会(社外の有識者4人)が9月末にまとめる提言を踏まえて、最終決定することを了承。
九州電力・眞部社長 眞部社長と記者会見に同席した松尾会長は進退問題の先送りについて、「第三者委員会の結論を見た上で結論を出したい。夏場の電力需給や原発の再稼働等の問題が山積しており、社長には社内取りまとめの役割がある」とした。自身の進退についても「責任はある」とした。眞部社長は、取締役会欠席の理由を「(自分の)進退が議題になると思い、自分がいない方がいいと考えた」と述べ、さらに「自分の一存では(辞任の判断が)できない」と説明した。眞部社長と松尾会長は8月から当面の間、役員報酬の全額を自主返納することも明らかにしている。

 以上が九州電力の取締役会の内容とトップの記者会見の概要である。
 眞部社長は、先の記者会見の席上で、「27日の取締役会で責任を取って辞任の時期を明らかにしたい」としていたが、松尾会長が「辞任届」を握りつぶして、取締役会では責任問題は討議されずに、「第三者委員会の結論を待つ」ことになった。
 九州電力の代表取締役である眞部社長の「自分の一存では(辞任の判断が)できない」との発言は、いかに社内で実権を持っていないかの表れであり、九州経済連合会会長で九州経済界のドンでもある松尾会長の実力がいかんなく示されている。眞部社長は完全に"ピエロ"を演じている。

 しかし、その真相をえぐると、松尾会長のしたたかな権謀術数が見え隠れしている。もし、眞部社長の辞任を認めれば、その責任を一手に松尾会長が受けることになる。九経連会長の座も失う可能性もある。そうであればそのまま汚れ役は眞部社長にやらせた方が当面得策だとの考えで「辞任届」を握りつぶしたと疑われても仕方がない。
 取締役会を開催しても議長が同じ代表取締役の社長から提出された「辞任届」を握りつぶし議題としない九州電力のコーポレートガバナンス(企業統治)は、コントロール不能であり、その取締役会の議長である松尾会長の責任は眞部社長より重い。

【特別取材班】

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