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流通大競争時代

【流通】西鉄、あんくるふじやを買収~加速する食品スーパーのM&A(前)
流通大競争時代
2011年10月14日 07:00

 西日本鉄道は佐賀県首位の食品スーパー(SM)、(株)あんくるふじやを買収する。SMの買収は06年3月の(株)スピナに続く。西鉄は子会社・西鉄ストアが手薄だった佐賀県に店舗網を拡大する。有力流通企業はM&A(合併・買収)を成長戦略に積極活用する方針を打ち出している。市場が縮小に向かうなかで、大手によるタテの再編が続きそうだ。

<佐賀県首位のSM>
西鉄は10月17日付けであんくるふじやの発行済み株式全株を譲り受ける。株式の57.0%を保有する太田尾こずゑ社長(63)が、ほかの株主2名から株式を取得したうえで西鉄に譲渡する。西鉄は取得価格を明らかにしていない。

あんくるふじや あんくるふじやは、本拠の佐賀県を中心に福岡県筑後地区と長崎県で酒販店25店、SM7店、神戸物産とのフランチャイズ提携による業務用スーパー2店の3業態計34店を展開。2011年3月期の売上高は150億300万円、経常利益1億1,000万円、当期純利益3,700万円だった。

 同社は、太田尾社長の亡夫である故太田尾昭と氏が、実父から継承した酒販店からSMに進出し事業を拡大、佐賀県トップのSMに育て上げた。07年7月昭と氏の死去後、日本航空のスチュワーデス出身のこずゑ氏が経営を受け継いできた。

 今回、西鉄に売却を決めたのは、太田尾社長の長男・竜彦氏(29)がヤマハ発動機所属のプロラグビー選手として活躍し、家業を継承する意思がなかったため。黒字を計上している間に、早めに売却する道を選んだ模様。売却相手の西鉄が経営の安定している大企業であることも、決断に踏み切らせたと見られる。西鉄は当面、現経営陣を続投させる方針。

<M&Aで流通事業拡大>
 西鉄はあんくるふじやが黒字経営で、自己資本比率が11年3月期末で38.3%と財務内容も比較的健全なことを評価。同社は連結売上高の2割を占める流通事業を、不動産と並ぶ非鉄道部門の主力事業と位置づけ、かねてM&A案件を物色していた。06年3月、新日本製鉄から㈱スピナを買収したのに続き、翌07年3月、三菱化学子会社の「スーパー協和」から北九州市八幡東区のSM3店を譲り受け、店名をスピナに変更。スピナは09年4月、西鉄ストアと合併させた。

 西鉄はあんくるふじやの買収により、西鉄ストアの店舗が1店しかない佐賀県で店舗網を一挙に拡張できる。スピナと同様、いずれ西鉄ストアと合併させると見られる。西鉄ストアは同社と合併することで、福岡県から佐賀、一部長崎県にまたがる広域チェーンに脱皮する。単純売上高合計は833億円と、福岡県内SMではサンリブ、マックスバリュ九州、マルキョウに次ぐ4位の順位は変わらないが、マルキョウとの差を70億円弱に縮める。

 あんくるふじやは、佐賀県内のSMでは年120億円を売り上げる2位の㈱スーパーモリナガに30億円強の差をつける。首位にのしあがった競争力の源泉は低コスト経営で、10年3月期の粗利益率16.71%に対し、売上高販管費率は15.67%とディスカウントストア並みの低さを誇る。

 半面で、先代社長の死去後は出店を見送っていることもあって、売上が伸び悩んでいる。前期は4.1%減と3期連続の減収だった。減収で経常利益は51%の大幅減になり、1%台だった売上高経常利益率は0.73%に低下した。本拠の佐賀市にマックスバリュ九州やレッドキャベツ、トライアルカンパニーなど県外勢が進出、競争激化のあおりを受けた。西鉄は営業テコ入れを迫られそうだ。

(つづく)

【宗像 三郎】

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