＜普通ここまでするのか＞
　
　前回、同コーナーにおける「須崎ふ頭の再開発への疑念」の連載から約１カ月。福岡市から須崎ふ頭へ誘致する日清製粉（株）に対し出された関係資料を、新たに入手した。（画像１）同資料により、福岡市による日清製粉への異常なまでの厚遇が明らかになった。

　日清製粉側は、資料にある項目（３）「当該地を製粉工場に相応しい環境に、長期にわたり維持していきます」について、具体的な内容の確認要請を行なっている。この確認要請を受けて市側は「須崎ふ頭の都市高速よりも北側の区域は、貴社が建設される主要な建築物の減価償却資産に係る法定耐用年数に見合う期間にわたり、臨港地区の指定を維持してまいります」とあらためて返答している。

　実際に福岡市は、市有地の横にあった道路を廃止し、売却地に一部加えた。これにより、道路下に埋設してあった水道管も大きく迂回させることになった。もちろん、売却地の建屋に入っている業者の移転費用と同建屋の解体工事費もかかっている。しかし、見立てが甘く、建屋が特殊なためとして解体費用などに追加費用が必要となり「さらに約２億円の費用の追加が必要になりました」と、議会で報告するものの、大した議論がなされていない。

　あらためて資料を見ると、市側はなにか日清製粉から利益供与がなされたのではないかと思うほどの優遇ぶりである。かつ、あまりの資料の少なさには戸惑いすら感じる。「口頭で誘致活動を進めてきた」というが、市の財産を売却する以上、今後、高島市長には公平かつ既然な態度を取るようお願いしたい。

【道山　憲一】

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