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覆面ヘッドハンターの一刀両断!

いかにして国際的な人材を養成するか(3)~幻の「グローバル人材」
覆面ヘッドハンターの一刀両断!
2011年12月 4日 07:00

<幻の「グローバル人材」>

 楽天などは「グローバル企業」を目指しているらしいが、そもそもグローバル企業なんて存在しない。同様に、「グローバル人材」も存在しない。会社は本社が登記されている国に属しており、人材もその国籍に属しており、「グローバル」という根無し草のような企業も、人材も存在しない。

nay.jpg 少し前に、マスコミは"日産を甦らせた英語"と囃子立てた。しかし、日本国企業としての日産はまったく甦っていない。フランス国籍のルノーに買収され(便宜上、出資比率は44.3%)外資系になり「英語」が必要になっただけのことだ。その日産は、横浜市の本社を「グローバル本社」と呼んでいる。その実体とは何だろうか。

 筆者は日本の企業が、「国際人の養成」をスタートする直前の産・官・学の
準備委員会に関わった経験がある。「国際化教育」という言葉は、この時
できた。もちろん、「グローバル」という言葉はまだ生まれていない。

 当時議論された内容は、約30年後の今とほとんど変わっていない。

ポイントは、3つだ。
(1)日本は今後、企業も人材も国際化しなければならない。

(2)英語は、国際人に要求される要素の30%程度である。異文化理解力、コミュニケーション力(プレゼンテーション能力など)や論理的思考がより重要だ。

(3)国際人になる前に立派な日本人にならないといけない。世界に立ち向かう時、「日本人とは何か、日本文明とはなにか」という明確な立ち位置がなければ相手にされないからだ。

 当時、海外要員教育で最も進んでいたのは、東芝、三菱電機などの電機会社であった。すでに、この時点で、英語以外の独自の「国際人能力診断」尺度を持っていた。そのなかには、人前で大きな声で歌えるとか、太っ腹であるとか、度胸があるとか、東洋哲学が理解できるなどユニークなものも数多くあった。

 考えてみると、当時の方が、若者を含めて、積極的に海外に出て行き、大きな仕事をして成功を収めていたように思える。その後、多くの人が、留学、英会話学校などに費やした金額は膨大なものだ。しかし、日本人のTOEICの平均点は当時とほとんど変わっていない。

 巷の英会話和学校の善し悪しは別にして、必要な人、必要になる人が英語を勉強するのは当然だ。しかしそれは国際人としての一部の要素だ。そして、必須条件ではない。日本文化の感覚を失い、母国語を失い、根無し草のようになってしまうことのほうが大きな問題だ。

(つづく)
【富士山 太郎】

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<プロフィール>
富士山 太郎(ふじやま たろう)
ヘッドハンター。4,000名を超えるビジネスパーソンの面談経験を持つ。財界、経営団体の会合に300回を超えて参加。各業界に幅広い人脈を持つ。

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