米国格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・ジャパンは16日、新日本製鐵の無担保長期債務格付けを引き下げる方向で見直すと発表した。
新日鐵と住友金属との合併が公正取引委員会から承認されたことにともなうもの。財務体質が弱い住友金属との合併により、新日鐵の財務基盤が悪化する可能性が高いと判断したことによる。
合併により製品構成の相互補完性が期待できることから、引き下げの幅は1ノッチ(段階)程度の小幅な引き下げになると見られる。現在の格付けは、S&Pが「BBB+」、ムーディーズが「A2」となっており、それぞれ「A3」、「BBB-」へ引き下げとなる見込み。
S&Pによると「新日本製鉄の長期会社格付けと長期優先債券の格付けを引き下げる方向で「クレジット・ウォッチ」(CW)に指定した。2012年10月に予定されている住友金属工業(格付けなし)との合併による影響を新日鉄の格付けに織り込む方針である。合併は事業面ではプラスとみている一方、財務基盤が相対的に弱い住友金属との合併により、合併新会社の財務基盤は現在の新日鉄のそれより悪化する可能性が高いとS&Pは考える。また、新日鉄は出荷減や輸出の採算悪化などにより収益力が低下し、財務基盤の回復ペースがS&Pの従来の想定を下回りつつあることから、その影響も分析に織り込む。」としている。
両社合併の第一段階で、最大の関門であった公正取引委員会が条件付き合併を認めたことから、いよいよ第二段階は合併の効果について市場の評価を受けることになる。
このまま円高が続くと輸出採算が悪化するとともに、アジアの鉄鋼市場の事業環境も悪化傾向にあり、当初予定したシナジー効果が得られなければ、市場の信認を得るために国内工場の閉鎖や人員削減、それに伴う物流子会社の整理統合など、更なる合理化策を検討せざるを得ない状況も予想される。
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