戦後最年少となる36歳で市長に就任した、髙島宗一郎福岡市長。人口約148万人の福岡市の成長戦略として「アジアのリーダー都市」を掲げている若きリーダーに、就任1年目を振り返り、そして2年目となる2012年における福岡市政の展望をうかがった。
―髙島市長は『稼げる都市』を目指すとおっしゃられています。その言葉を踏まえて地元企業の現状を見てみると、たとえば西鉄さんでは、連結の2012年3月期営業収益の予想が3,254億円で、そのうちなんと約22%(730億円)が国際航空貨物を新たな柱とした物流業です。これが、さらに5年後には1,000億円になると見込んでいます。福岡市の大手でも、地元だけでは飯を食っていけないという状況です。
髙島 なぜ、『稼げる都市』というキーワードなのかというと、福岡市政に携わって1年間で、さまざまな陳情が寄せられましたが、大体のことは税収が豊かでお金があれば解決できることでした。その意味で、『税収をあげること』が市民福祉の増進につながり、企業や市民生活の活気を生み出す点ですごく重要だと、あらためて感じたからです。
―その点では、海外からの外国クルーズ客船などによる観光客へ期待したいところですね。
髙島 福岡に外国クルーズ客船が寄港することで、2012年1年間で、最大70億円の直接の消費があると見積もっていますが、間接効果も考えると、これはかなり経済が動くということです。ただし、クルーズ客船は、いわば「旅のコンベンション」と捉え、まず、1度訪れた福岡市のファンになっていただいてリピートにつなげること。そして、私は「九州」を強く意識していますので、福岡市を入国口として九州各地に波及させていく取り組みもしっかりしていくことが重要だと考えています。
―海外観光客のリピーターをつくるためには、設備投資を行ない、来るたびに新鮮味を持たせることが大切かと思います。その点、福岡市の観光資源においては、まず、何に手を付けなければならないと思いますか。
髙島 個々の魅力をブラッシュアップすることも必要です。また、福岡市は京都以上に長い"二千年の歴史"があり、神社・仏閣やさまざまな発祥の地もあります。エンターテインメント施設では、博多座やキャナルシティ劇場、それに映画館がいくつもあって、しかも公園が各所にあり海もある。ただし、それらのスポットがルート化されていない。つまり、市内各所をめぐる『回遊性』の向上という課題があると思います。
―博多の文化を充実するためにも、博多座さんにはもっと頑張ってほしいですね。
髙島 もちろん伝統的な芸能や演劇を続けていくことは大切ですが、継続できなくなっては元も子もありません。その点、どのような興行を打つかというセンスが、すごく大事ではないかと思います。
1月7日から31日まで博多座で行なわれる堂本光一さん主演の舞台「ショック」は、すぐにチケットが完売しました。これまでの発想を変え、まずしっかりと経営していくところに主眼を置いて欲しいと期待しています。
― 一方で、博多湾はさまざまなアドバルーンが揚がりますが、いまいちパッとしません。
髙島 そうですね。たとえばマリエラ・クルーズなど、探せばないことはないのですが、その情報の発信がバラバラのように感じます。エンターテインメントでは何、歴史だったら何、夜をロマンチックに過ごすなら何、ということが福岡市全体で体系化されていません。どうやって情報を探せばいいのかもわかりにくい。
4月には、福岡市として初めて「観光」と「文化」の担当部署を一元化し、「経済観光文化局」に再編することを予定していますが、これにより、まずは福岡市の経済において大きな割合を占める第三次産業への効果が大きい「観光」を振興し、税収の向上にもつながるような経済の活性化に取り組んでいきたいと思います。
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