<防衛費の削減と導入機数>
防衛費の削減はF35の導入機数にも大きな影響を与えている。ちなみに平成24年度防衛費は、SACO関係費などを除き、前年0・4パーセント減の4兆6,453億円と10年連続で減少、平成5(1993)年度の予算規模と同じだ。今後、F35の導入は財政上の理由で当初の導入機数よりも削減され42機に留まる予定だ。これだけでは日本の防空態勢は万全とは言えない。
<42機では中露に対抗できない>
航空自衛隊はF4ファントムに比べてF35は数倍の機能を持っているうえに、F4にはないステルス性もあり、戦闘機による防空能力は機数が削減されても問題はないとしている。性能が大幅に向上することによりカバーできるとしている。
しかし、前回述べた通り、日本を取り巻く安全保障環境は、米ソ冷戦時代とほとんど変化がなく、依然として厳しい状態が続いている。中国はF35と同じステルス性戦闘機「殲20」を200機導入すると伝えられている。ロシアもそれ以上の数のステルス性戦闘機「T50」を導入する予定である。
厳しい日本の財政事情の問題はあるとはいえ、最初から中国やロシアに白旗を挙げるような導入数では在日米空軍を合わせても、中国やロシアの航空戦力のほうが優勢になり、日本周辺の空のパワーバランスが崩れる事態に陥る可能性すらあるのだ。
米国のオバマ大統領は昨年11月、アジア・太平洋地域を安全保障上の重要地域と位置付けることを表明した。対中露を見据えた日米同盟の重要性はますます高まっている。
F35の導入は単に予算ありきではなく、日本を取りなく安全保障環境を考慮に入れたうえで、導入機数を決定するべきなのである。
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<プロフィール>
濱口 和久 (はまぐち かずひさ)
昭和43年熊本県菊池市生まれ。防衛大学校材料物性工学科卒業。陸上自衛隊、舛添政治経済研究所、民主党本部幹事長室副部長、栃木市首席政策監などを経て、現在、テイケイ株式会社常務取締役、国際地政学研究所研究員、日本政策研究センター研究員、日本文化チャンネル桜「防人の道 今日の自衛隊」キャスター、拓殖大学客員教授を務める。平成16年3月に竹島に本籍を移す。『思城居(おもしろい)』(東京コラボ)、『祖国を誇りに思う心』(ハーベスト出版)などの著書のほかに、安全保障、領土・領海問題、日本の城郭についての論文多数。 公式HPはコチラ。
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