経済好調のインドネシアは、ポストBRICsとしてアジアの昇り竜となり得るのか。同国は、約2億3,756万人の人口と豊富な資源をバックボーンに、堅調な内需で上昇中。中間層が分厚くなっており、個人消費も伸びている。中国、インドに続く経済成長国として、国際的にも期待されている。その上昇気流に、日本はどのように乗っていけばいいのか。
<内需は堅調、資源も豊富>
インドネシア経済の成長の要因は、内需が堅調であることに加え、世界屈指の埋蔵量を誇る天然ガス、パーム油、石炭などの豊富な資源とその輸出にあり、2本の柱が経済をけん引している。世界第4位となる約2億3,756万人もの人口を抱えており、うち1億3,000万人が首都ジャカルタに集中するなど首都圏の人口密度が高く、効率的なビジネス展開が可能となっている。労働人口にも不足がなく、ちょうど日本の70年代の高度成長期と似たような構造となっている。今後も生産人口は持続的に増えることが見込まれ、分厚くなった中間層による個人消費での経済の伸び率にも期待ができる。
二輪・自動車の販売台数は右肩上がりになっている。それ以外の分野でも、日本から進出した企業の商品では、フマキラーの殺虫剤、マンダムの整髪剤など、一般消費財が伸びており、消費傾向から見ても中間層の膨らみが顕著。個人消費主導で経済が回っているため、リーマン・ショック後の世界的不況からの立ち直りも早かった。
<課題はインフラ整備>
首都ジャカルタでは、自動車の売れ行きの上昇に比べ、道路のインフラ整備が追い付かず、渋滞が深刻化している。
インドネシアは1万3,000を超える群島で形成されており、これらの島々を道路、港湾、鉄道などで結ぶことが、さらなる経済ネットワーク拡大のための急務となっている。現在、首都圏新空港・港湾の建設、港湾へのアクセス道路、工業団地群の改善が進められている。
日本は、主にジャカルタ首都圏での電力事業や上下水道などのインフラ輸出で、約2兆円の投資を決めている。スマトラ、カリマンタンなど、地方においても鉄道、道路など膨大なインフラニーズがあり、ビジネスチャンスは拡大している。
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