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過去最大規模「フクシマ繰り返すな」~玄海原発操業差し止め求め提訴
社会
2012年2月 2日 16:00

 福島第一原発事故のような原発被害を二度と起こしてはならないとして、九州を中心に29都府県の1,704人が1月31日、国と九州電力を相手取って、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)全4機の操業差し止めと慰謝料を求めて、佐賀地裁に提訴した。過去最大規模の原発訴訟の提起によって、福島第一原発事故以降も原発を推進する電力会社と国の姿勢とともに、原発差し止めを認めてこなかった司法の対応が大きく問われることになる。

0202_kaiken_1.jpg 提訴したのは、「原発なくそう!九州玄海訴訟」原告団(団長=長谷川照・前佐賀大学学長)。訴状などによると、玄海原発の操業が人格権(生命・身体・健康を維持し快適な生活を営む権利)と生存権(憲法25条が保障した「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」)を侵害しているとしている。
 提訴前には、佐賀県弁護士会館に原告・弁護団約140人が集まった。1704人分の訴訟委任状の入ったダンボール箱を前に、東島浩幸弁護団幹事長は「晴れた空のように澄み切った気持ちで訴状を提出する。この委任状には、脱原発を願う思いが積み上げられている」と宣言した。

 原告らは、福島第一原発の事故と未曾有の被害によって「安全神話」の虚偽性が明らかになったと指摘。裁判を通じて、原発事故の被害の実相と原因を明らかにし、圧倒的多数の国民の支持のもとで裁判をたたかい、脱原発を実現するとしている。
 原告・弁護団は、訴状などを掲載したブックレット『原発を廃炉に』の発行を予定している。弁護団共同代表の板井優弁護士は、「原告団だけでなく、すべての人に読んでもらいたい。もちろん、国、九電、各電力会社にも。そして、考えてほしい」と語った。

 原告らは、国民世論が注視するなかで裁判を進め、さらに裁判の中身が世論に影響を与えていきたい考えだ。「裁判所が安心して原発差し止めの判決が書け、国会でも政策転換できるようにする」(板井弁護団共同代表)。
 長谷川照原告団長は「この裁判は、従来の(原発)裁判にない挑戦的な裁判だ。裁判官は従来の裁判と同じ考え方で判断してもらいたくない」と釘を刺した。

 また、過去最大規模の原発訴訟になったことで、原告や、脱原発に取り組む市民は勢いづいている。弁護団共同代表の池永満弁護士が「『原発なくそう』の1点で広がった。明るい展望を感じる。楽しくたたかい抜こう」という、よびかけの言葉が、原告の気持ちを代弁。集まった原告らは「一刻も早く原発を止めたい」(医師の満岡聰さん)と、第一歩を踏み出した。

 訴状では、福島第一原発事故の被害について、大量の放射性物質の大気・海洋への放出、市民への健康被害の危険性、11万人以上の避難による根底からの生活破壊、地域そのものの破壊、畜産業・水産業・農業・製造業・観光業への深刻な影響を指摘。九州電力が玄海原発の操業を続けること自体が「安全かつ平和的に生存していく権利」を侵害しているとしている。国に対しては、原発は国による強力な推進政策がなければ成立・存続できないこと、国が立地コストから事故の対応コストも負担していることなどをあげて、「国自体が電力会社とともに国民に対して加害行為を行なってきた」と、指摘。福島第一原発と同様の事故の発生を防止するため原子力発電を継続する政策を取りやめる法的義務があると、国にも操業差し止めを請求している。

 原子力訴訟の事務を取り扱う原子力安全・保安院広報課は「訴状が届いていないのでコメントできない」と、回答。九州電力は「訴状の内容を詳細に検討した上で適切に対応してまいります」とコメントした。

【山本 弘之】

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