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元原発作業員 被ばくによる労災認定求め提訴~福岡地裁
脱原発・新エネルギー
2012年2月20日 16:00

0220_0217.jpg 元原発作業員の梅田隆亮氏(76)が島根、敦賀両原子力発電所での作業で被ばくしたため急性心筋梗塞を発症したとして、17日、国を相手取って労災認定を求めた訴えを福岡地裁に提訴した。松江労働基準監督署長が梅田氏に対して労災療養補償給付を支給しないとした処分の取り消しを求めたもの。

 梅田氏は提訴後、「原発労働の実態は今も変わっていない。これから原発で作業する若い人に同じようなことが起きないように、(被ばくの実態を)伝えたい」と語った。
 原告弁護団(団長・椛島敏雅弁護士)によると、茨城県東海村JOC臨界事故を除くと、原発内の放射線被ばくを理由とする労災認定は過去10件。心筋梗塞に対する労災認定はゼロ件。一方、原爆症認定では被ばくとの関係を積極的に認定する疾病として「放射性起因性が認められる心筋梗塞」があげられている。

 訴状によると、梅田氏は、1979年3月に中国電力島根原発で炉内点検作業に従事、さらに同年5月~6月には日本原子力発電敦賀原発で溶接作業に従事。原発労働を終えた直後から原因不明の腹痛、鼻血、全身倦怠感に襲われ、同年7月、長崎大学病院でホールボディカウンター測定検査を受けたところ、体内からコバルト57などの放射性核種を検出。2000年に急性心筋梗塞を発症したため、08年に松江労働基準監督署長に対して労災保険法療養補償給付の支給を申請したが、同監督署は、同氏の被ばく線量が8.6ミリシーベルトなので業務起因性が認められないとして、不支給を決定した。

 梅田氏ら原発作業員は当時、放射線管理区域である原子炉格納容器内で配管の溶接やナットを締めるなどの点検保守作業を行った際、防護服と全面マスクを着用したが、防護服内は高温多湿でマスクが曇るため、マスクを外して作業していた。被ばく線量を警告するアラームメーターがひっきりなしに鳴るなかの危険な作業だった。
 しかも、作業員全員分のアラームメーターを放射線量の低い場所にいる作業員に預けて作業したため、記録されている被ばく線量は実際より少ないと、「被ばく隠し」を告発。「放射能についての安全教育はなかった。放射線管理区域の表示はあったが、区域も非区域も区別が分からなかった」と話した。

 弁護団は、原発内の1番危険な作業を4次5次下請けの最下層の労働者に担わせていると指摘。「労災を認めさせることを通じて、原発労働者の生命と健康をないがしろにする非人間的な原発労働を許さないと訴えたい」としている。

【山本 弘之】

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